ダメ、ミウラ。出来ないサルバドール・コルテス。マティアス・テヘラが挨拶。牛が悪い。

2006年5月18日マドリード、ラス・ベンタス(第1級)闘牛場のサン・イシドロ9日目(24回目)開催の結果。

19時開始、21時08分頃終了。

プレシデンテ、トゥリニダ・ロペス・パストル。今年9回目のノー・アイ・ビジェテで、観客は満員。

牧場

バルタサル・イバン、アナ・マリア・ボオルケス
   全体的に、頭が高く角が広い牛が多かった。マンソ、ソソで闘牛が出来るような牛ではなかった。
   1頭目、普通。2頭目は、パセの時に飛ぶ牛、マンソ。
   3頭目は、左角がダメで膝を着いたが良い牛だった。4頭目、パセの時に飛ぶ牛、ソソ。
   5頭目、6頭目は、パセが繋がらない。マンソ。


闘牛士

ダビラ・ミウラ 沈黙、沈黙(アビソ)。

マティアス・テヘラ 沈黙、挨拶。

サルバドール・コルテス 沈黙(アビソ)、沈黙。

 くもり。強い風が吹いて涼しい。1頭目、2頭目、4頭目、5頭目、6頭目がヌニェス・デル・クビジョ牧場の牛(Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、ファン・ペドロ・ドメク、カルロス・ヌニェス、ホセ・ルイス・オスボルネ牧場)。3頭目、ソブレロ(2頭目)がアナ・マリア・ボオルケス牧場の牛(Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、ホセ・ルイス・オスボルネ牧場)。闘牛士、ダビラ・ミウラ、マティアス・テヘラ、サルバドール・コルテス。満員の入り。ソルのテンディド5にて観戦する。

 ダビラ・ミウラは、やはりダメ。出来ない。初めの牛はこの日の中では2番目に良かった。それなのに、角を間違えてナトゥラルから始める。そもそも悪い方の角で始めるというのはどういう事だ。良い方の角まで悪くなる。ナトゥラルでブスカンド。デレチャッソをするとムレタを角にはらわれる。パセのあとドタバタする。おまけにパセ・デ・ペチョでコヒーダされる。出来ない、やれない。2頭目の牛の時は、もっとダメ。だって、初めの牛より悪いんだから余計出来ない。よく判っていないのに闘牛をやっている闘牛士。ダメ、ミウラ。

 マティアス・テヘラは、1番真面目闘牛をやっていた。初めの牛は、アレナに転がってしまった。膝を着くだけじゃなく動きも悪い。今日1番悪い牛だった。2頭目の牛は、マンソ。膝を折ったデレチャッソからナトゥラル。パセの時にムレタを角にはらわれる。パセ・デ・ペチョで返りが早い。クルサードして4回パセを繋ぎパセ・デ・ペチョで返り早く危ない。離れデレチャッソで3回パセを繋いでパセ・デ・ペチョ。また、返りが早い。パセがどうしても短い。メディア・パセになる。それでもクルサードを繰り返してパセを繋ごうとしている。トゥリンチェラだと、そういうのを誤魔化せる。拍手。デレチャッソで3回パセをしてパセ・デ・ペチョで拍手。剣を代えて、スエルテ・コントラリアで良い剣が入った。牛が倒れて観客に挨拶をした。牛の直ぐ近くでクルサードして立って見せたり、やる気を見せた。良いパセなんかなくてもこうやって努力すれば観客は判ってくれる。

 サルバドール・コルテスの初めの牛は、今日1番良い牛だった。が、パセのあと膝を着く牛だった。手を低くしないでメディア・アルトゥーラにしてパセを繋げばいいのに、手を低くして良いパセを繋ごうとする。だから、牛が膝を着く。ナトゥラルは左角が悪いからしょうがない。でも、もっと良いファエナに出来たはずだ。デレチャッソでもナトゥラルでも、牛を誘うときにムレタを持った手を牛の方に出しているのは素晴らしいが、牛の扱い方が判っていない。セビージャのトゥリンファドールとおだてられてその気になっていると、いつまで経っても上に上がっていけないよ。今日は剣も悪かった。

 バルタサル・イバンの牛はダメだった。3頭目に出てきたサルバドール・コルテスが相手にしてアナ・マリア・ボオルケスの牛が1番良かった。しかし、彼は上手くファエナが出来なかった。残念だ。チャンスなんてそんなに多くない。今年はせめて耳を1枚くらい切ってセビージャへ帰って貰いたかったがそれが出来なかった。これじゃ兄貴の二の前にならなければ良いがと老婆心を持ってしまう。ダビラ・ミウラはどうでも良いのでどうにでもなってくれ。マティアス・テヘラは、今日は観客に好感を持たれただろう。それが次に繋がればと、思う。退屈な闘牛は、殆どが牛が悪い場合で、つまらない闘牛は、闘牛士がダメなとき。退屈でつまらない闘牛が最悪ですが、今日は、そこまで行かなかった。4日間耳が続いたと思ったら4日間耳がない日が続いた。これが本来のサン・イシドロだと思えば何ともない。


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