Peticion mayoritaria.セラフィン・マリン耳が出ず、場内1周。牛が悪すぎる!

2006年5月17日マドリード、ラス・ベンタス(第1級)闘牛場のサン・イシドロ8日目(23回目)開催の結果。

19時開始、21時32分頃終了。20時18分点灯。

プレシデンテ、フリオ・マルティネス・モレノ。今年8回目のノー・アイ・ビジェテで、観客は満員。

牧場

ヌニェス・デル・クビジョ、パルモシジャ
   全体的に、頭が高く角が広い牛が多かった。マンソ、ソソで闘牛が出来るような牛ではなかった。
   1頭目、力強さがなくソソ。2頭目は、力強さがない。
   3頭目は、左角が短かった。4頭目、マンソ、ソソ。
   5頭目、ソソで膝を着く牛。6頭目は、唯一闘牛が出来る牛。左角が短かった。


闘牛士

セサル・リンコン 沈黙、沈黙。

モランテ・デ・ラ・プエブラ 沈黙、罵声。

セラフィン・マリン 拍手、耳要求で場内1周(アビソ)。

 追記:セラフィン・マリンのバンデリジェーロ、セサル・ペレスが3頭目の牛のバンデリージャで、喝采を受け挨拶をする。
     コヒーダされたが角傷はなかった模様。

 くもりなのに日が差し暑かった。日が暮れても蒸し暑かった。2頭目、3頭目、4頭目、6頭目がヌニェス・デル・クビジョ牧場の牛(Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、ファン・ペドロ・ドメク、カルロス・ヌニェス、ホセ・ルイス・オスボルネ牧場)。1頭目、5頭目がパルモシジャ牧場の牛(Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、ファン・ペドロ・ドメク、ホセ・ルイス・オスボルネ牧場)。ソブレロ、1頭目(4頭目の換わり)、ラス・ランブラス牧場の牛(Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、エル・トレロ牧場)2頭目(5頭目の換わり)、ゴンサレス・サンチェス・ダルプ牧場の牛(Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、カルロス・ヌニェス牧場)。闘牛士、セサル・リンコン、モランテ・デ・ラ・プエブラ、セラフィン・マリン。満員の入り。ソルのテンディド5にて写真撮影しながら観戦する。

 セサル・リンコンが、出来ない牛は、他の闘牛士がやっても出来ない。と言う風に考える。牛が悪すぎる。闘牛出来るような牛じゃない。セサル・リンコンの今日の唯一の見せ場、この日3頭目の牛での、セラフィン・マリンとのキーテ合戦。セラフィン・マリンが、体の近くを通すガオネラ3回繋ぎ、オーレがなりレマテのラルガで喝采がなった。セサル・リンコンのキーテは、チクエリナ。体の近くを通しオーレがなりレマテは、ラルガ。綺麗だ。拍手がなった。それを観たセラフィン・マリンがまた出てきて、テンプラールなベロニカ2回、メディア・ベロニカを決めると喝采がなった。この勝負は、セラフィン・マリンの勝ち。セサルのファエナは、リガールしてパセを繋いだりしていたが、牛が非道く良いパセを引き出せなかった。残念だが仕様がない。闘牛にはこういう日もある。

 モランテ・デ・ラ・プエブラは、やっぱりダメだった。セビージャでのやる気のなさは、マドリードでも同じだった。2頭目の牛が出てくるとモランテは出ず、バンデリジェーロがカポーテを振ってベロニカを繋ぐと観客は口笛を吹き出した。こう言うことをするのは、クーロ・ロメロとか高齢の闘牛士たちがやること。しかも悪い牛の時に。アレナに出てきた牛を1回もパセすることなくバンデリジェーロに任せるのは愚の骨頂。ピカドールが乗る馬の前にも連れて行かずバンデリジェーロ任せ。口笛は鳴り続く。ファエナでは、膝を折ったデレチャッソから始めると牛が膝を着いた。ナトゥラルをするがこっちもダメ。そのあと直ぐに剣を代えた。その前から口笛が鳴っている。剣はピンチャッソ6回。結局させずデスカベジョ1回。罵声と口笛が飛び交う。これだけやる気がないのに、初めの牛で、良いパセを何回が見せた。それは凄い。モランテの頭の中はどうなっているんだろう?相当おかしい。

 セラフィン・マリンは、今日の主役。初めの牛でも良かったが、最後の牛で観客を沸かせた。頭の高い角の広い牛。テンプラールなベロニカを繋ぎメディア・ベロニカを2回決めると拍手なった。バンデリジェーロが振るカポーテを観ていたら、右角が内側に来るように見えた。が、これは錯覚だったのだろうか?バンデリージャ6本打ったあとのファエナは、膝を折ったデレチャッソから始めた。アレナ中央へ牛を連れて行って、デレチャッソを3回繋ぐ。初めのパセが角にはらわれた。離れデレチャッソを3回繋ぎパセ・デ・ペチョで拍手。離れデレチャッソをリガールして3回繋ぎパセ・デ・ペチョで拍手。

 それを繰り返していたらパセが長くなってきた。離れ今度はナトゥラル。4回長いパセが繋がり、オーレがなりレマテはパセ・デ・ペチョで拍手。離れナトゥラルでコヒーダ。角は股の間だったので大丈夫だった。デレチャッソを3回リガールするとオーレが続きパセ・デ・ペチョで喝采がなる。離れデレチャッソを繋ぎパセ・デ・ペチョで喝采がなる。剣を代えて、アジュダード・バッホを繋ぎトゥリンチェラ、パセ・デ・ペチョで喝采がなる。スエルテ・コントラリアで牛を置きカイーダで斜めに入った。アビソが鳴り、牛が座った。闘牛場は白いハンカチで一杯になった。耳を要求する口笛や歓声がなったが、プレシデンテは耳を出すことを許可しなかった。おそらく、剣がカイーダだったからだろう。でも、出してやれよと思った。非常に残念だ。

 今日は今年のサン・イシドロ中で最も牛が悪い日だった。良くもこれだけ非道い牛を揃えた物だ。闘牛を出来る牛がいなかった。最後のセラフィン・マリンがやった牛だけだった。セサル・リンコンは今年は相変わらず牛に恵まれていない。非道い状況だ。牛さえ良ければ爆発するのに。モランテは案の定、非道かった。こうなるんじゃないかと思っていたとおりだ。セラフィン・マリンが良かった。耳を取れなかったのは不運。でも、25日の闘牛は非常に楽しみになった。何かかが起こりそうな気がする。


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