フェルナンド・クルス耳1枚。マヌエル・アマドールは最低!

2006年5月13日マドリード、ラス・ベンタス(第1級)闘牛場のサン・イシドロ4日目(19回目)開催の結果。

19時開始、21時12分頃終了。20時49分照明点灯。

プレシデンテ、フリオ・マルティネス・モレノ。今年5回目のノー・アイ・ビジェテで、観客は満員。

牧場

アラウス・デ・ロブレス
   全体的に頭が高い牛が多かった。1頭目、2頭目は、普通。3頭目は、ブスカンドした。
   4頭目、タブラを2度飛ぼうとした。5頭目は、脚が弱かった。6頭目は、ピカが入って動きが止まり返りが早かった。


闘牛士

マヌエル・アマドール 口笛、罵声(アビソ)。

パウリタ 沈黙、沈黙。

フェルナンド・クルス 耳1枚、挨拶。

 追記:2頭目の牛のピカで、パウリタのピカドール、ディエゴ・オチョアと、
 3頭目の牛のピカでフェルナンド・クルスのピカドール、ペドロ・イトゥラルデが喝采を受ける。

 くもり。初めは暑かったが、日が暮れても寒くはなかった。少し風があった。アラウス・デ・ロブレス牧場の牛(Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、アラウス・デ・ロブレス(コンデ・サンタ・コロマ)牧場。闘牛士、マヌエル・アマドール、パウリタ、フェルナンド・クルス。満員の入り。ソルのテンディド5にて観戦する。

 マヌエル・アマドール。非道いの一言。何しに出てきたのと言いたくなる。足を止めたパセを1度もしなかった。仮に牛が悪くても2頭ともそんなことをやったら見捨てられる。が、牛が悪いわけではないのだ。何もしないで剣を代え、ピンチャッソを繰り返す。そして、デスカベジョだって刺せない。牛が頭を振ったらデスカベジョが飛んだ。彼が出ているときは全て無駄な時間。全体的に言ってとは言わず、全てがダメだ。

 マヌエル・アマドールを観た後だと、パウリタが上手く見える。不思議だ。人は知らずの内に比較してみていることに気付く。冷静に観れば上手いわけではない。やるべき事をやっているだけ。クルサードして誘う。パセの時は足を止める。当たり前のことをしているだけだ。でも、それだけだ。牛の角にムレタをはらわれていた。パセがピコ。ドタバタ動く。牛の扱い方が判っていない。つまり、学校で教わること以上のことが出来ないのだ。

 フェルナンド・クルスは、1番まとも。パウリタは学校で教わったこと以外出来ないが、彼は、闘牛場で学んできたことを闘牛に表現できる。初めの牛は、右角が良い牛だった。でも、角にムレタをはらわれて良いパセが出来なかった。それでも時々手の低い長いデレチャッソをリガールしてオーレがなった。ナトゥラルはブスカンドした。かえってこれが良かったのかも知れない。緊張感が生まれたから。パセが繋がっていたが耳が出るとは思っていなかった。良い剣が入ったから出たのだろう。知らないうちに闘牛場に白いハンカチ出て、それが一杯になって口笛が吹かれ出してビックリした。それでも出ると思わなかったが出てしまった。

 先週の日曜日に出場したときに、何とかしようとしている姿を見せていて好感を持たれていたからかも知れない。耳が出たあと、それに対する抗議の手拍子も殆ど起きなかった。それが不思議だ。だから、観客が耳と認めたのだからそれで良い。でも、僕には理解できないけど・・・。プエルタ・グランデがかかった最後の牛は、ピカが入ると動かなくなった。クルサードを繰り返してもパセが短いし良いパセを引き出すことが出来なかった。こうやって何とかしようとしている姿が観客に伝わったのかも知れない。

 今日は訳の分からない耳が出たが、それもまた耳。観客が決めたのだから。でも、今年のサン・イシドロはどうしたんだろう。4日目にして耳が6枚も出てしまった。こんな事初めてだ。これからどうなるんだろう。


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