99年5月8日、モストレスの結果

つまらないパセで牛を動かした、エル・フンディがプエルタ・グランデ

por 斎藤祐司

 牛、チャロ・デ・ジェン。闘牛士、エル・フンディ、ウセダ・レアル、エウヘニオ・デ・モラ。モランテ・デ・ラ・プエブラはコヒーダのためエル・フンディが代わって出場した。

 

 1頭目、フンディ。牛はブルラデーラを2回突いた。ピカは瘤の左後ろに入った。バンデリージャは自分で撃つ。今日は3回共角の間で撃っていた。喝采を受けた。牛は観客に捧げられた。ムレタは片膝を折ったパセから始めた。牛を中央に持っていって右手のパセ。腰を引いてピコで牛を動かしている。パセ・デ・ペチョは腰が引け脇が開いている。

 左足を中心にしてパセごとに右足を1歩引いてパセを続けた。こういうパセは好きだ。ピコだけど。クルサードしてナトゥラル。パセの後牛がブスカンドする。ピコのパセの後、パセ・デ・ペチョは腰が引け脇が開く。ナトゥラルを続け剣を代える。左手の膝を折ったパセ2回、モリネーテをして見栄を切る。スエルテ・コントラリアでピンチャソ。スエルテ・ナトゥラルで剣を良いところに決める。デスカベジョ1回。耳1枚。

 2頭目、ウセダ。牛はブルラデーラに1発突く。シンプルなベロニカを続けメディア・ベロニカ、ラルガで締める。ピカ1回左肩前に入る。バンデリージャは角の間で1回撃つ。2回目は1本。牛は観客に捧げられた。牛が悪い。上に上げるパセ。右手は駄目。ナトゥラルはパセできるが、続けられない。スエルテ・コントラリアで良いところに刺したが20cm位出ている。

 3頭目、エウヘニオ。牛はブルラデーラを1回突く。ベロニカは足を止めて出来なかった。ピカは肩と尻の中間を擦った。皮がむけた。下手くそなピカドールだ。ホセリートの所から来たあの爺さんは今日は出ていない。左肩上にはいる。バンデリージャは、やはりホセリートの所から来たジィージョの弟、ファン・クベーロが良い刺し方した。

 牛のせいでパセが良い形で決まらない。パソドブレが鳴ったがコヒーダされそうになってすぐ終わった。牛が悪く良いところなし。スエルテ・コントラリアで剣を刺しデスカベジョ1回。

 4頭目、フンディ。ベロニカの最後は、ベルモンシーナ(メディア・ベロニカをしながら回転する)で締めくくった。ピカの時、膝を着く牛。キーテはチクエリーナの連続。しかし足を1歩引く。見せかけだけで駄目なパセ。バンデリージャは、自分で撃った。正面から距離を縮めて1回目を撃つ。角の間で撃ち、3回目は、キエブロ。撃ち終わって牛のまわりを回って大拍手。トレロ・コールまで出た。確かに今のは良かったよ。でもね。牛はプレシデンテに捧げられた。あな珍しや。

 ムレタのパセはピコばかり使い、体の遠くを牛を通している。誘いでムレタを出すときに脇が開いている。牛を動かしているのでパソドブレが鳴った。パセの途中で段々牛がブスカンドする。剣を代えてスエルテ・コントラリアでピンチャソ。次ぎに良い剣が決まる。耳2枚。ファエナも良くなかった。ピンチャソ1回。それなのに耳は2枚。隣のおばさんに「何故ピンチャソ1回なのに耳2枚なの」、と言うと、「ここはラス・ベンタスじゃなく、モストレスなの」と。思わず笑ってしまった。

 5頭目、ウセダ。牛はブルラデーラ角を突き立てた。ラルガ・カンビアールから言いベロニカを繋いだ。ピカは瘤の後ろ。牛が膝を着いた。右角の先が折れている。バンデリージャは角の間で撃っていた。ムレタではクルサードしているが、手が高い。腰が引けている。面白くないパセ。体を過ぎると手は余計に高くなる。ファロールなどするがそれだけ。スエルテ・ナトゥラルでピンチャソを続けていた。最後は良いところに決めていた。角度場所もおしぶんなし。

 6頭目、エウヘニオ。牛はトリルのドアが閉まると近くのブルラデーラに角を突き立てた。ピカは左肩上に入る。牛は膝を着く。ベロニカの時の同じように膝を着く。バンデリージャは3回とも角の間で撃った。真面目なパセを続けるが牛の動きが悪い。パセは体に近くを通している。が、あのパセ・デ・ペチョは出来ない。何故なら牛が悪いからだ。剣はスエルテ・コントラリアでピンりゃそ2回。この前のコヒーダがあるのでちょっと怖がっているようだ。3回目で決めるが20cm出ている。デスカベジョ3回。

 エル・フンディがプエルタ・グランデをした。が、1番まともに真面目に闘牛をやっていたのはエウヘニオだ。フンディは何故耳を取ったのだろう。ちっともちゃんとやってなかったのに。でも、田舎の闘牛はこんなもの。牛を動かせば耳は貰えるのだ。クルサードがどうの、脇がどうのと、そんな所など見ていやしない。


http://www2u.biglobe.ne.jp/~tougyuu/以下のHPの著作権は、斎藤祐司のものです。勝手に転載、または使用することを禁止する。


ホームに戻る