ポンセ、アベジャン、L・M・バスケス3人のプエルタ・グランデ。

2005年5月8日ボラニョス・デ・カラトラバ(シウダ・レアル)(第3級)闘牛場の結果。

 快晴。闘牛場は円形だが外側の四隅は尖っていてその部分に客席の列が多くなっている。アルクルセン牧場の牛(Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、カルロス・ヌニェス牧場)。ソブレロ、アルクルセン牧場。闘牛士、エンリケ・ポンセ、ミゲル・アベジャン、ルイス・ミゲル・バスケス。2/3〜3/4くらいの観客の入り。ソルのテンディド・アルト10列目(16ユーロ)にて、アナスタシアさん、Kさんかどやんと観戦する。17時半開始、20時15分終了。

 初めて行った闘牛場。それもそのはず、こけら落としだった。闘牛士の入場行進の後、こけら落としのセレモニーがあり、闘牛士3人とガナデロに記念品が贈られた。席は背もたれはないが座る部分はプラスティックで出来ていて前の座席との間も充分余裕がある。客席は傾斜角度が急で、なおかつバレラ席がタブラより1m以上、上にあるため手前のタブラの縁に腰を掛けてパセをしたときや牛がいるときは全く観えなかった。アレナは直径40m弱くらい。ソルで直射日光を浴びるが、後半は四隅の尖った部分の間の凹んだ所から風が吹き抜けて肌寒いくらいだった。

 エンリケ・ポンセは、田舎闘牛仕様。パセを繋いで剣を決めて耳を切る。耳1枚が2回。牛の足が悪くてもパセを繋いで見せます。それでお客さんは満足。いつも平均的にお客さんを満足させることが出来る優等生です。競馬で言ったら武豊です。俺は大嫌いだけど、まっ凄い闘牛士なのだ。

 ミゲル・アベジャンも、田舎闘牛仕様。5頭目は非道い牛だった。クルサードしても距離や角度を変えても動かない。あんまり動かないから最後は、ムレタを放り投げて牛の前に膝を着いて見栄を切った。お客さんは大喜び。ラス・ベンタスでやったら口笛や罵声を浴びるけど、こういう田舎では喜ばれるのだ。剣刺しの立ち位置はやはり右角の外側に立っていた。これがダメだ。ピンチャッソが1回ずつあったが、その後、カイーダ気味に入ったのと、良いところに入って耳1枚が2回。いつも変わらぬやる気を見せて観客にアピールして獲得した耳2枚だ。

 ルイス・ミゲル・バスケスは、地元のシウダ・レアルの闘牛士。1番盛り上がるだろうというのは、想像していたが、実際1番良かった。これはビックリである。3頭目の牛は1番良い牛だった。カポーテでベロニカをボンボン繋いで「オーレ」が叫ばれた。メディア・ベロニカを綺麗に決めると歓声と喝采が鳴った。もうこれだけで総立ちの観客。地元の闘牛士に観客は興奮状態。スペイン人は地元が好き。サッカーでも闘牛でも一緒です。勿論、サッカーや闘牛を知らなくても良いんでんす。地元の人やチームが活躍すれば応援にも熱が入るってもんでしょ。

 牛は当然観客へ捧げられた。アレナ中央でモンテラを取って挨拶。喝采がある。それから、ソルのブルラデロへやってきて、牛に追われたときに足をかけて飛び越える縁に腰掛けて座ってデレチャッソを繋ぐと、「オーレ」がこだまする。そして、バンドがパソドブレの演奏を始める。立ち上がってデレチャッソを繋いでパセ・デ・ペチョ。喝采が鳴る。離れクルサードしてデレチャッソがボンボン繋がる。それもリガールしている。「オーレ」が続きパセ・デ・ペチョ。喝采。お客さんは大喜び。距離を取り角2本分クルサードしてデレチャッソ、パセ・デ・ペチョ。隣のKさんがこいつ1番良いと興奮している。

 キキリキのようなパセを体を回転させてからデレチャッソを繋いでパセ・デ・ペチョ。離れ、角2本分クルサードしてナトゥラルを繋ぐ。手も低いしパセも長い。モリネーテからナトゥラルを繋ぎパセ・デ・ペチョ。喝采が鳴る。デレチャッソを繋いでアジュダード・プル・バッホからパセ・デ・ペチョ。「オーレ」が続き喝采が鳴った。剣を代えて、スエルテ・コントラリアで狙い通りに良いところに剣が決まった。耳2枚は当然だ。アナスタシアさんは、剣が決めるとこの人、何者!と驚いていた。ローカル闘牛士の中には、こういう風に埋もれている才能の持ち主がいるのだ。今までチャンスが与えられなかったり、チャンスを物に出来なかった人でもこういう風にちゃんと出来る人がいるのだ。

 物凄い数の花や帽子、ショールなどがアレナに投げ入れられた。受け取った耳2枚は客席に投げ入れた。ゆっくり場内1周した。それからアレナ中央へ行って観客に挨拶をして喝采を浴びた。最後の牛は良くない牛だったがパセを繋いで剣も良いところに入り耳1枚。

 アルクルセン牧場の牛は、3頭目以外は足に欠陥があった。動きが悪かったり、途中で止まったりしてやりにくかった。5頭目は1番非道い牛でファエナ後半は殆ど動かなかった。それでも、アベジャンは耳を取りました。田舎闘牛仕様だったけど良かった。それと、何と言っても今日はルイス・ミゲル・バスケス。チャンスが巡ってくるように祈る。カポーテ捌きはぎこちないけど良い物を持っている。ポンセは全てにおいてそつがない。だって優等生だから。


http://www2u.biglobe.ne.jp/~tougyuu/以下のHPの著作権は、斎藤祐司のものです。勝手に転載、または使用することを禁止する。


ホームに戻る  2005年闘牛