コヒーダで股の所が破けたエウヘニオが恥ずかしそうに布を巻いた。

2001年6月8日、マドリード、ラス・ベンタス闘牛場。(第1級闘牛場) 

 曇ったり晴れたりのラス・ベンタス闘牛場。ノー・アイ・ビジェテ。

 ドロレス・アギレ牧場、2頭目だけがビクトリアーノ・デル・リオ牧場。闘牛士、ファン・モラ、エンリケ・ポンセ、エウヘニオ・デ・モラ。

 ファン・モラは、1頭目はダメな牛だった。後ろ脚が悪いしパセの後の返りが早い。ちゃんとパセで回っているなら良いがそうじゃない。後を止めたパセが出来ない。2頭目はマンソ。それでもカポーテに最後まで付いていく。止まらないし、返りが早い。非道い牛だがクルサードしてパセを繋ぐ。「オーレ」がなり沸く。止まらないから誘い所が難しい。ナトゥラルも繋ぐ。例のトゥリンチェラソを決めるが動きながらなので体が斜めになっている。それでも充分やった。剣はコントラリアでメディアに入った。デスカベジョ2回。アビソ。デスカベジョ。

 エンリケ・ポンセは、もうちょっとやりようがあった。1頭目は、ビクトリアーノ・デル・リオの牛だった。足を突っ張って走る。ベロニカはちゃんと繋げ「オーレ」がなる。ラルガで締める。ピカは右後ろに入る。離れると膝を着いた。ムレタでは、右手の膝を折ったパセを繋ぎパセ・デ・ペチョで「オーレ」がなる。内へ。右手を繋ぐ。クルサード不足。ナトゥラルもそう。それにピコ。角は歌詞の直ぐ近くを通っているが何も感じない。もうちょっとやりようがある。クルサードしていればこの牛はもっと良いパセを引き出せたと思う。

 2頭目は、角が広く上を向いている。これでビビッタのか。ベロニカでは右側を通すと体の方に寄ってくる。ムレタでは右手の膝を折ったパセから始めるがパセの後に牛が抜けるようになる。止まらない。牛が止まるところまで下がって牛を誘う。この辺は距離が判っている。でも、怖がってクルサードできない。牛も悪いがポンセのダメなところは1回もナトゥラルをしなかったこと。フィグラにあるまじき行為。やっフィグラじゃなくてもこんな事しちゃダメだ。剣はコントラリアのメディア。デスカベジョ3回。アビソ1回。

 エウヘニオ・デ・モラは、1頭目で仕事をした。少しだけ。牛はマンソ。カポーテの前で考えているような仕草。考える牛は良くない。ベロニカにならず。ピカは4回も入った。それも左右の肩の上に。プレシデンテもテルシオを早く変えないのが悪い。非道い牛だが膝を着かないので変えようがない。出来ないと思っていたらファエナをやった。こんな牛で良くできた。右手の膝を折ったパセから中へ。クルサード不足だがこの牛は出来ない。やったら危ない牛。それでも足を止めたパセを繋いでいるが、直ぐにパセはメディア・パセにしかならなくなる。牛が悪すぎ。でも良くここまでファエナに格好をつけた。剣はスエルテ・ナトゥラルでバホナッソのメディア。もう1度刺してまたバホナッソ。

 最後の牛は出てきたときは気のありそうな牛だった。でもピカが悪かったのか腹の方に入ったりした。右手の膝を折ったパセから始めるが足を止めたパセが出来ない。返りも早くコヒーダ。闘牛服の股の部分が破けてブラブラしているようだ。恥ずかしそうにブルラデラに行って弟のモソ・デ・エスパーダが白い布を持ってきて腰と股に巻き付けた。ブラブラしているものをそれで固定した。でもこんな牛じゃ何もできない。直ぐに剣を刺した。メディアだった。

 去年はドロレス・アギレはエル・カリファが耳2枚切った牛。今年は雨の影響か悪いなぁ。闘牛士たちは何とかファエナを形にしようとしているが牛が悪すぎる。クルサードできない牛は出さないで欲しい。出来ないよ、これじゃ。


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