エル・ベントリジョ牧場の非道い牛で、マティアス・テヘラが耳1枚切る。

2005年4月8日セビージャ、レアル・マエストランサ(第1級)闘牛場の結果。

 曇り。初めはTシャツでも寒いくらいで日が暮れる頃にはもっと寒くなる時々風が吹くとなおさら寒かった。コートや革ジャンが必要。僕はダウン・ジャケットを着て観戦す。エル・ベントリジョ牧場の牛。闘牛士、セサル・リンコン、エル・フリ、マティアス・テヘラ。満員。ソルのバレラにて、写真撮影しながら観戦する。開始18時30分。20時45分終了。始まる前にパティオ・デ・クアドリージャで闘牛士のアップの写真が撮れた。

 セサル・リンコンの引いた牛は、2頭とも悪い牛でどうしようもなかった。特に2頭目の牛は、誘うときとパセを通しているときの頭の高さが同じで非常に危ない。そして、抜けるようなパセになった。右も左も同じだった。だから、仕方なく剣刺しに行った。セサルに対しては口笛は吹かれなかった。口笛が吹かれたのは牛に対してだった。こんな日もある。2頭目の牛で良いバンデリージャを打ってアドルフォが挨拶をした。

 エル・フリは、初めの牛はパセが抜けるような牛だった。2頭目の牛ではファエナの時に音楽がなったが、牛が悪く続かなかった。2頭目の牛でカレテラが良いバンデリージャを打って挨拶をした。

 マティアス・テヘラは、初めの牛で耳を切った。牛はブルラデロを突いた。エル・ベントリジョ牧場牛は、去年のサン・イシドロではブルラデロの前では止まっていたはずだ。ここからして?が付く。ベロニカをする前から牛が膝を着いた。ベロニカで2回膝を着く。非道い物だ。おまけにパセが切れない。どこを観ているのか判らない牛。ピカの後も膝を着く。ファエナは、エスタドゥアリオを2回からデレチャッソ、アジュダード・ポル・アルト、パセ・デ・ペチョと繋ぎ、アレナの内側へ。手の低いデレチャッソが3回繋がりパセ・デ・ペチョを通すと拍手が鳴り、音楽がなった。

 距離を取り手の低い大きなデレチャッソ4回パセ・デ・ペチョで、「オーレ」が鳴り喝采が沸く。ゆっくりと間と距離を取り手の低いデレチャッソからトゥリンチェラを繋ぐ。クルサードし直して手の低い大きなデレチャッソが5回通ると、大きな「オーレ」の声は闘牛場を包んだ。パセ・デ・ペチョで喝采がなる。それから距離を取ったのは良いが牛が動いているときにナトゥラルを始めた。これが気に食わない。手の低い綺麗なナトゥラルが3回、クルサードし直して4回繋げパセ・デ・ペチョ。喝采がなる。マティアス・テヘラの特にナトゥラルは綺麗だ。それから手の低い大きなデレチャッソ5回繋がりトゥリンチェラを繋いで剣を代えた。

 ベルナディーナを4回繋ぎパセ・デ・ペチョ2回でファエナを終えた。最後は良いベルナディーナだった。スエルテ・コントラリアでカイーダに入ったが観客は耳を要求して1枚出すことをプレシデンテが許可した。去年のサン・イシドロでエル・ベントリジョ牧場の牛で耳2枚切ってプエルタ・グランデした自信がこの日の悪い牛でも生きていたのだろう。良いファエナをセビージャの観客の前で見せた。これで3年連続してセビージャでは印象に残るファエナを続けたことになる。彼は確実にフィグラへの道を歩いている。

 去年、一昨年と、サン・イシドロで良い牛を出し続けたエル・ベントリジョ牧場は、この日は非道い牛だった。何故なのか解らない。ビクトリーノ・マルティンの牛の凄い牛を観た後だと余計そう思う。今年はセビージャにも雪が降って各地の牧場では牛が草を食べれない冬を過ごしたようで、牛がダメなんじゃないかと言う話があったが、その通りの状況だ。ビクトリーノの牛だけが特別だ。


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