フェルナンド・クルスが2回観客に挨拶をした。

2006年5月7日マドリード、ラス・ベンタス(第1級)闘牛場の15回目開催の結果。

プレシデンテ、フリオ・マルティネス・モレノ。観客は、4割くらいの入り。

牧場:コンデ・デ・ラ・マサ
   全体的に、あまり良くない。ムレタやカポーテに着いている来るが力強さが足りない。
   1頭目がしょっちゅう膝を着いた。2頭目3頭目は頭が高い牛。4頭目は右角が短く、
   5頭目は、太かった。6頭目は座り込む牛。

闘牛士:エウヘニオ・デ・モラ 沈黙(アビソ)、沈黙。
     フェルナンド・クルス 挨拶(アビソ)、挨拶。
     ルイス・ミゲル・バスケス=コンフィルマシオン・デ・アルテルナティーバ 沈黙、沈黙(アビソ)。

 追記:6頭目でルイス・ミゲル・バスケスのバンデリジェーロ、フェリック・ロドリゲスが拍手を受ける。

 19時開始、21時20分終了。20時30分照明点灯。

 曇りで風が吹く寒い天気。昨日の教訓から上は長袖と冬用のチョッキとフリーズ、下は下ズボンを着用した。それでも寒い。コンデ・デ・ラ・マサ牧場の牛(Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、コンデ・デ・ラ・マサ牧場。闘牛士、エウヘニオ・デ・モラ、フェルナンド・クルス、ルイス・ミゲル・バスケス=コンフィルマシオン・デ・アルテルナティーバ。プレシデンテ、フリオ・マルティネス・モレノ。目算で4割強くらいの入り。ソルのアンダナーダ4にてアナスタシアさんと一緒に観戦する。開始19時、21時15分頃終了。

 今日は、ルイス・ミゲル・バスケスのコンフィルマシオン・デ・アルテルナティーバ。よって1頭目と6頭目の牛を相手にする。初めの牛は今日1番悪い牛だった。ベロニカを繋ぐと飛ぶ牛だった。後ろ脚に欠陥がある。左角だと反対に返ってくる。そして膝を着く。口笛や牛を交換するように催促する手拍子がなる。ピカは、左横に入り刺し換え右後ろに入った。バンデリージャが6本打たれた。ファエナは、膝を折ったデレチャッソから始めたが牛が膝を着いた。離れてデレチャッソをしたが、メディア・パセにしかならない。そして、倒れた。観客から口笛が吹かれる。ナトゥラルを3回繋ぐと牛は座ってしまった。非道い牛だ。口笛と手拍子が強くなって、剣を代えた。スエルテ・ナトゥラルでピンチャッソ2回。スエルテ・コントラリアでテンディダで決まった。最後の牛も座る牛だった。折角のコンフィルマシオンなのに彼は殆ど良いところを見せることが出来なかった。風が強くパセも繋ぎにくかった。最後の方で長いナトゥラルが3回綱だのが救いか。

 エウヘニオ・デ・モラの初めの牛は頭が高い牛だった。そして左角が短かった。ピカは左後ろに2回入った。バンデリージャが打たれたあと、膝を折ったデレチャッソから始めたが、やはり左角が短い。ムレタを角にはらわれ落とす。離れデレチャッソを2回繋ぐと牛がパセのあと逃げていく。なんなんだこの牛は!デレチャッソからパセ・デ・ペチョで拍手。このあと、風が強く吹いたり、ナトゥラルは当然ダメで、デレチャッソまで突然走り出したりするようになって上手くできなかった。冠は、スエルテ・コントラリアで1/2コントラリアで入りデスカベジョ2回。アビソ。結局ダメ牛だった。

 2頭目の牛は、首を振って走る牛。競走馬じゃないんだから・・・。ベロニカをすると右角が短かった。左は大丈夫。初めのピカで空振りしてピカドールがアレナに落ちて危なかった。馬から離されると牛が膝を着いた。そのあとピカは右前に入った。これでプレシデンテはテルシオを代えた。観客から口笛が吹かれる。1回しかピカが入っていないからだ。バンデリージャを打たれると牛は痛がって首を振ってバンデリージャをはっていた。エウヘニオはデレチャッソから始めたがこれは間違いだ。2回パセを通しクルサードしてまた2回通しパセ・デ・ペチョ。拍手。3回パセを通しパセ・デ・ペチョ。拍手。でも、あの頃のようなぐるんと廻すような角度のあるパセ・デ・ペチョではない。離れクルサードしてナトゥラル2回すると返りが早かった。危ない。クルサードして3回パセを通しパセ・デ・ペチョ。離れデレチャッソを3回したがムレタを角にはらわれた。パセ・デ・ペチョのあと剣を代え、スエルテ・ナトゥラルでカイーダ。斜めに入っていた。

 フェルナンド・クルスは、今日2回とも観客に挨拶をした。でも、そんな良かったわけではない。去年に比べると良くはなっているが・・・。やる気だけはいつもある。命も賭けて闘牛をする。でも、技術がいまいち伴わないのだ。それと、自分に厳しくない。欲がない。現状で満足しているわけではないのだろうが、それを打破する為の闘牛における表現が出来ないのだ。例えば2頭目の牛は右が短い牛だった。それなら徹底してナトゥラルを繋いでパセをすればいいのにそれが出来ない。途中でデレチャッソを繋ぐと牛がダメになった。良い方のナトゥラルまでおかしくなったのだ。この辺をもっと考えないとなぁーと、思った。今日はそれでも観客から拍手を貰ったので良いだろうが・・・。

 全体的にダメな牛だった。コンフィルマシオンのルイス・ミゲル・バスケスは可哀想だった。折角地元のシウダ・レアル近郊のダイミエルからバスを4,5台連ねてペーニャ人たちが応援に来ていたのに。エウヘニオも今のままじゃサン・イシドロにお呼びがかからない。良いアポデラードが着くためにも、もっと1つ1つのことを積み重ねていかないと、このまま終わってしまうかも知れない。そうなって欲しくない闘牛士なのだから。フェルナンド・クルスは、上記の通り。


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