あんな良い牛で何で耳2枚取れないの?エル・アルケニョ。そして、恥知らずな場内1周。救いようがないね、君は。

2005年5月7日マドリード、ラス・ベンタス(第1級)闘牛場の結果。

 曇り時々晴れ。時々風が吹いてやりにくい場面があった。レウエルガ牧場の牛(Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、ホアキン・ブエンディア・ペーニャ(サンタ・コロマ)牧場)。ソブレロ、ナバルロサル牧場。闘牛士、ヘスス・マリア・サンチェス、カルロス・ガジェゴ、エル・アルケニョ。1/4弱の観客の入り。ソルのアンダナーダ7にて観戦する。19時開始、終了記録せず。

 ヘスス・マリア・サンチェスは、やる気だけはあるのは分かる。でも、それだけかな。パセすれば角にムレタをはらわれてばかり。距離も、牛のことも全然判ってないよね。

 カルロス・ガジェゴは、自分を何とか良く見せようとする気持ちは判らなくもない。ラルガ・カンビアールしたり・・・。でも、これだけブスカンドする危ない牛でやったことないでしょう今まで。5頭目なんか、何にもしなかったよねファエナで。出来ないよね、怖くて。牛のこと何にも判っていない事が今日は判ったでしょう。

 エル・アルケニョは、3頭目の牛で良い牛を引き当てた。その昔サンタ・コロマの牛を制する者はフィグラになれるとまで言われた。そのサンタ・コロマの血統の牛で本当に良い牛を引き当てた。それなのに・・・。牛はトリルから出てきて走り回るがブルラデロの前ではピタッと止まる。目が良いのだ。ベロニカを繋ぐと、「オーレ」が鳴った。面白いようにベロニカが繋がる。レマテは、メディア・ベロニカ2回。拍手が沸く。脚はパセの後も何処も悪くない。ピカは左前、刺し代え左後ろに入った。2回目は左前に入った。牛には問題なかった。脚は大丈夫だ。ヘスス・マリア・サンチェスのキーテは、ナバラ3回にラルガ。牛を誘っている場所から回転する足がずれている。やる気だけは買う。

 牛は当然観客へ捧げられた。膝を折ったデレチャッソからデレチャッソを繋いでパセ・デ・ペチョ。拍手が鳴る。よく観ていれば判るが左角が短い。サンタ・コロマの血統だから危ない牛だ。その危なさは左角が短いことから判るはずだ。だが、非常に良い牛。離れデレチャッソを3回繋いでパセ・デ・ペチョ。この時点でダメかも知れないと思った。距離の取り方が1歩か2歩近いのだ。牛との距離が判っていない。それと、コロカシオンが悪い。もっとクルサードした所に立たないと、良いパセを牛から引き出せないのに。

 離れデレチャッソを4回リガールすると「オーレ」が続いた。レマテはパセ・デ・ペチョ。喝采が鳴る。離れデレチャッソを2回したらムレタを角にはらわれて落とした。ムレタを角に合わせて振れないのだ。デレチャッソを2回繋いでパセ・デ・ペチョ。それからナトゥラル。距離が判っていない。コロカシオンが悪い。それじゃ牛は動かない。案の定パセが短い。クルサードも足りない。もう何もかも足りないのだ。これだけ良い牛を自分でダメにしている。結局ナトゥラルが繋がらず剣を代えた。今まで何を学んできたの?ちゃんとファエナが出来ない!右だって左だってもっと良いパセを引き出せるのに、その方法を知らない。ちゃんとアレナで闘牛してきた者ならこの牛から耳2枚切れるはずなのに・・・。

 ファエナの最後は、アジュダード・ポル・バッホからトゥリンチェラ、ナトゥラルで牛の前に立って見栄。訳の分からない奴だ。おまけに剣刺しの時、スエルテ・コントラリアに牛を置いた。良い牛なら当然、スエルテ・ナトゥラルに置くべきなのにそれをしない。バカか。剣はコントラリアに刺さった。1部で耳要求をしている人がいたが、牛が良いから勘違いした人だろう。牛が退場するときに喝采が鳴った。場内1周してもおかしくない牛だった。闘牛士には少し拍手が鳴ったが、口笛の方が多かったので挨拶もなし。この牛は耳2枚切れる牛だった。最低でも1枚は切れた。でも、それすら出来ない。滅茶苦茶足りない物が多い。多すぎて色々言わなきゃならなくなるが、スペイン語ではこういう場合は、ファルタン・ムーチョとか、トロ・エスタ・トレロ・ノー・エスタという。

 最後の牛は、ピカの時に左角が折れて交換した。牛は、この日2番目に良い牛だったが残念。替わった牛で、どうでも良いパセを繋いでいたが、角にムレタをよくはらわれていた。つまり、まともにムレタを振れない。距離、コロカシオン、間も全部ダメ。剣もバホナッソ。牛が座りプンティージャ1回。拍手が鳴り挨拶に出てきたかと思ったら口笛を一杯吹かれているのに勝手に場内1周を始める。恥知らずも良いところだ。「どうだ俺は、凄いだろう!」と、勝手に勘違いをしている。もう救いようがないダメな奴。田舎闘牛じゃないんだからね。何にも出来ない、何にも身に付いてない奴に限ってこういう事をする。つまり君は、そこまでも人間って事よ!

 サンタ・コロマの血統の牛は危ない。1歩間違えると大怪我をする。直ぐブスカンドする。今日の見習い闘牛士たちには余りにも難しすぎた。それでも、自分のダメさが判らないバカもいる。君だよ、エル・アルケニョ。イキがって場内1周してたけど、それは君が何にも判っていない証拠を観客にわざわざ見せつけたような物。恥も知らないバカに言っても始まらないね、きっと。


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