非道い牛なのに代えないプレシデンテと、それでも良くやった2人と、問題外の1人!

2001年6月7日、マドリード、ラス・ベンタス闘牛場。(第1級闘牛場) 

 快晴のラス・ベンタス闘牛場。大体満員。

 セレスティーノ・クアドリ牧場。闘牛士、ソトルコ、マノロ・サンチェス、エル・タト。

 ソトルコは、1頭目の方が良かった。キーテは、チクエリナ3回ラルガ。2回は足を引いていたがやる気が感じられた。ピカは右肩上に入り、馬から牛が離れると膝を着いた。ムレタは右手の膝を折ったパセからトゥリンチェラ。内へ。クルサードして右手を繋ぎパセ・デ・ペチョ。「オーレ」がなる。ナトゥラルをリガールして繋ぐと「オーレ」が続いた。パセ・デ・ペチョで沸く。右手から左手にムレタを代えてパセを繋ぎクルサードしてナトゥラル。パセの時牛がアビオンする。右手のトゥリンチェラから手の低い大きなパセをして「オーレ」が続く。ムレタを踏まれて剣を代え、右手の膝を折ったパセをしてスエルテ・ナトゥラルでピンチャッソ。カイーダで決まる。挨拶。

 2頭目の牛は後ろ脚が悪かった。ピカの後に膝を着く。観客は牛交換を要求したが叶わなかった。所で、ソトルコのピカドール、“エル・レヒオナリオ”ことビクトリアーノ・ガルシアが登場すると拍手が沸き起こった。須美さんがこの前言っていた、ピカを剣道で言う中段に構えて牛を誘い、刺すという高等テクニックを使うピカドールだ。話の通り鞍の上に白い布を掛けて登場する。そしてピカを中段に構えてクイダッソした。場所は左前側に入り牛がコッホになったので良くなかったが、確かに独特なテクニックを見せるピカドールだ。多分、メキシコから連れてきたのだろう。ソトルコはパセを繋ごうとやっていたが牛が悪く良いパセを引き出せなかった。でも、やることはやっていた。

 マノロ・サンチェスは、非道い牛ばかりに当たった。ベロニカの前から脚が悪い。観客は2頭とも牛を代えるように要求したが叶わなかった。あれを代えないプレシデンテはどうかしている。闘牛を詰まらないものにしている。2頭目の牛はベロニカでコッホになった。非道い動きをしているのに代えない。観客は手拍子や口笛で抗議するがダメだ。それでもムレタではやりにくい悪い牛をクルサードしてパセを繋いだ。今日は落ち着いている。丁寧にパセを繋いだが牛は膝を着いたり、角を土に突き立てて転んだりで盛り上がり掛けるとさめてしまった。少しずつ良くなっている。形も綺麗になってきた。ノビジェーロの時プエルタ・グランデをした頃は歩く姿までが美しかった。また、そんなマノロが観た。剣はカイーダだったがデスカベジョは流石にバジャドリード流。ロベルト・ドミンゲスのように華麗にムレタを動かして1発で決めた。また会おう。マノロ。

 エル・タトは、上記2人の闘牛士に比べて決定的なものが足りない。闘牛士としての資質さえ疑ってしまう。牛の前に立てばムレタを持ってただ振っているだけ。足を止めてパセが出来ない。クルサードしないとかするとかそう言うレベルの問題じゃない。パセは全部ピコ。口を金魚みたいにパクパクさせてみっともない。剣を刺せばピンチャソかカイーダかバホナッソ。

 彼のバンデリジェーロはまともにバンデリージャも刺せない。1本だけ逃げ腰で打って走って逃げる。あれじゃ馬に乗ってない騎馬闘牛だ(レホネアドール・シン・カバージョ)。タトはムレタを振ると言うより、“赤い旗”を振っている共産主義者のようだ。口ばかり動かして何もしないからだ。君は名前を変えなさい。タトじゃなくトントに。担ぎ屋(カピタリスタ)も寄りつかない。


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