2000年6月7日、ラス・ベンタス(マドリード)の結果

エスプラ、コヒーダ。病状は重い。

por 斎藤祐司

 快晴の闘牛場。セレスティノ・クアドゥリ牧場。フランシスコ・エスプラ、ペピン・リリア、エル・カリファ。ノー・アイ・ビジェテ。

 フランシスコ・エスプラは、1頭目の牛でコヒーダされた。牛は、ブルラデラを角で突かなかった。ベロニカを繋いだがカポーテの動きがとても綺麗だった。ピカは右に入った。キーテhナバラを繋ぎメディア・ベロニカで馬の前に持っていった。牛の置き方が上手い。ピカは左に入った。バンデリージャは自分で打ったがあまり良くなかった。

 ムレタは、膝を折ったパセから初めて中央へ。左手に持ったムレタに右手の剣を添えてクルサードしてナトゥラルを繋ぎパセ・デ・ペチョ。観客が沸く。右手でパセをしたが途中で止まってしまう。右はダメなので直ぐにナトゥラルに切り替える。ナトゥラルでも動かなくなると、右手でピコ気味にパセして牛を動かす。一連のパセをファロールで締めて剣を代えた。スエルテ・ナトゥラルでピンチャソ。牛を置き換えようとしていたときにコヒーダされる。

 全く動かなかった。頭から落ちたようで気絶していた。うつ伏せのまま抱こうといていたが、1人ではどうにも出来ずに、5,6人で担ぎ上げて仰向けにして医務室へ担ぎ込まれた。医師の診断はこうだった。「右太股20cmの角傷。右肩打撲。脳震盪。皮下細胞組織の打撲。特に、大腿動脈の打撲。」と、コメントした。全治は判らない。

 ペピンが代わりに剣を刺した。ピンチャソ1回、斜めから半分剣が入った。デスカベジョ1回。

 ペピン・リリアは、エスプラがいなくなったので剣刺し4回。3頭の牛を相手にした。3頭目の牛は非道かったのでこれは書かない。1頭目はカポーテに向かっていかない牛。2,3分アレナをウロウロしていた。向かってきても初めはまともなパセが繋げなかったが、外回しに牛をパセして行き、ゆっくりとしたメディア・ベロニカを3回すると拍手が沸いた。ピカは右に入った。牛は、バランスが悪いために角を何度もアレナに突き刺して転んだ。

 ムレタは、膝を折ったパセから中央へ行き、右手のパセ2回目で牛が転んだ。ナトゥラルはクルサードしてパセするがまた牛が転ぶ。手の低いナトゥラルを2回、パセ・デ・ペチョで沸く。ムレタはらわれて落とす。牛の目の前なのに取ってパセ・デ・ペチョで沸く。足を同じ位置に止めたままで左右にパセを繋ぎ観客を沸かせた。スエルテ・ナトゥラルでバホナッソ。デスカベジョ2回。アビソ1回。惜しかった。

 2頭目は、ブルラデラに行くが角で突かない牛だった。ピカで膝を着いた。牛の動きが止まる。ムレタは膝を折ったパセから中央へ行って、右手のパセをしたが今度は牛が止まらなくなる。これではパセがやりにくい。牛との距離を取って牛の動きを止めて右を繋ぐがパセ・デ・ペチョは脇が開いていた。クルサードしてナトゥラルは手が低いが外を回したパセで口笛を吹かれる。剣刺しは、左手のムレタの振り方と牛の首の振りが合わずに右手首の辺りを角で突かれること2回。またバホナッソで刺さった。デスカベジョは6,7回刺した。

 エル・カリファは、1頭目で良いところを見せた。ブルラデラ前で牛が止まる。腰が動くベロニカの後メディア・ベロニカ。ピカは左に入った。ピカの後、後ろ脚から崩れる。次のピカが入るとまた後ろ脚から崩れる。腰が悪いのか、後ろ脚が悪いのか。ムレタでは、アレナの中央に立って牛を誘い、右手で背中を通すパセから始めた。右手のパセを繋ぎパセ・デ・ペチョ。ナトゥラルはクルサード不足だが手の引く長いパセを繋ぎ観客が沸く。パセの帰りで牛が目の前に来て危なかった。クルサードして手の低い長いナトゥラルを繋ぐとオーレがなる。パセ・デ・ペチョで締めて剣を代えた。膝を折った手の低い長いパセでオーレがなりスエルテ・コントラリアでピンチャソ・オンダ。残念。

 2頭目は非道牛で転んだばかりいたので交換になった。代わって出てきた牛はマンソ。ムレタのパセは途中で牛が止まってしまいパセが繋げなかった。

 今日は全体的に牛が悪かった。ペピンとエル・カリファは良く牛を動かした方だ。もう少しで耳の所まで行ったのだから。エル・カリファは、明日も出る。良い牛が出たら耳が切れるだろう。エスプラは、油断してコヒーダされたのだろうか。よく判らないコヒーダだった。これで、9日の出場は出来ないだろう。代わりは誰だろう。オスカル・イガレスか、ファン・ホセ・パディージャか。その辺りなら良いんだけどな。


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