非道い牛の中でペピン・リリアだけがまともなファエナをした。

2001年6月6日、マドリード、ラス・ベンタス闘牛場。(第1級闘牛場) 

 快晴のラス・ベンタス闘牛場。ほぼ満員。

 1頭目、3頭目、6頭目、コンデ・デ・コルテ。2頭目、5頭目、マリア・オレア4頭目、アンヘル・サンチェス牧場。闘牛士、オスカル・イガレス、ペピン・リリア、ファン・ホセ・パディージャ。

 オスカル・イガレスは、非道い牛を引き当てた。初めの牛はブスカンドばかりしていてパセにならない。おまけにパセの返りが早い。コヒーダされて牛の下敷きになった。角は刺さらなかったがダメージが残った。あれじゃパセ出来ない。2頭目の牛は後ろ脚が悪い牛でしかもマンソ。ムレタを振ると体の方に角を寄せて来る牛。ブスカンドまで行かないが危険。どうにもならない。

 ペピン・リリアは、1頭目で良いファエナをした。牛は後ろ脚の悪くパセの後角をアレナに突き立てて1回転した。ピカを刺せば直ぐに逃げるし非道かった。所がムレタになると見事に牛を動かした。右手でリガールして繋ぐと「オーレ」がなった。再三右手のリガールが見事に決まった。「オーレ」が続く。ナトゥラルでもクルサードして繋ぎ「オーレ」がなる。パセ・デ・ペチョが決まると立ち上がって喝采を送る人がいた。ナトゥラルを繋ぎトゥリンチェラ。「オーレ」が続き剣を代えて、スエルテ・コントラリアでメディアに刺さった。デスカベジョ1回。喝采を浴び挨拶をする。剣が決まっていたら耳が出ていたかも知れない。

 2頭目は角が広い牛だったが思ったほどカポーテに突っ込んでいかない。ピカが入って離れると膝を着いた。ムレタではこの牛もブスカンドばかり。どうにも出来ない。難しいと言うより出来ない牛。剣刺しは頭を下げたままで何度試みても頭を上げないしムレタでも矯正できず刺しに行ったがタイミングが合わない。仕方なくデスカベジョをするが3回失敗。アビソ。それからまた4回目で決まった。口笛。仕方ないことだ。

 ファン・ホセ・パディージャは、今日も良くなかった。期待していたのにこれじゃガッカリ。牛も非道かったがもうちょっとやって欲しかった。1頭目は、前脚の悪い牛。ムレタでは、ピコ(ムレタの先の方でパセすること)でしかパセ出来なかった。それというのもブスカンドしてくるからだ。何度も何度もいやになるくらいブスカンドする。危なくて闘牛にならない。2頭目もブスカンドばかりした。おまけに走るときは脚を突っ張っているようにしていた。歩様が悪すぎる。客は口笛を吹くが出来るかこんな牛。

 牛が悪すぎる。人間の能力なんて限界がある。まともにパセを出来る牛を出して欲しい。これじゃ闘牛にならないでしょう。


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