2000年6月6日、ラス・ベンタス(マドリード)の結果

ビクトル・プエルト、アルベルト・エルビラが闘牛場を沸かした。

por 斎藤祐司

 快晴。サルバドール・グアルディオラ牧場。エルタト、ビクトル・プエルト、アルベルト・エルビラ。大体満員。

 エル・タトについて書く言葉はない。サラゴサで甘やかされてきた闘牛士にラス・ベンタス闘牛場はあまりにも厳しい。全く見せ場がない。あっ有った。ピンチャソ4回でデスカベジョ2回。恥知らずも良いところだ。2頭目では、剣良いところに決めたと思ったら斜めに入っていた。パセはいつもクルサードしていないか腰が揺れていた。観るも退屈。語るも欠伸。

 ビクトル・プエルトって変わったのだろうか。今日は見直したぞ。1頭目で、ビクトルが変わったパセをした。カポーテを真ん中から二つに折って半分にしてガオネラを繋いだ。あれは観客がビックリして反応が少なかったが良いパセだった。闘牛を観て始めて観たパセだった。ムレタは、アレナの中央に立って牛を誘って右手に持ったムレタを後ろに振って牛を背中の方からパセをして始めた。

 右手のパセを繋いで パセ・デ・ペチョ。オーレと拍手が沸く。クルサードして正面を向いて右手のパセ。オーレがなる。正面を向いたパセを繋ぎ、パセ・デ・ペチョ。ちょっと違うぞ今年のビクトルは。クルサードしてナトゥラルを繋ぐ。これも良い。パセ・デ・ペチョを繋ぐと喝采がなり耳の期待が高まる。剣を代えて、モリネーテから右手のパセを繋ぎパセ・デ・ペチョ。スエルテ・ナトゥラルから剣が半分刺さるが、バホナッソ。残念だった。

 2頭目は、シンプルなベロニカでオーレがなりメディア・ベロニカで喝采がなる。ピカは左に入った。キーテは、メディア・ファロールを繋ぎメディア・ベロニカ。良いじゃない。やるじゃない、ビクトル。ムレタは、タブラの近くに正面を見て立って左手にムレタをたたんで持って、牛を誘う。当然左側に牛を通すと思ったら右側に牛を振ってパセした。

 それからムレタを両手に持ってアジュダード・ポル・アルトを繋ぎパセ・デ・ペチョ、トゥリンチェラをするとオーレが続いた。牛の正面を向いてクルサードして右手のパセを繋ぎパセ・デ・ペチョ、オーレが続く。右手でパセをした後に左足を軸にして右足と一歩引いてパセを何度も繋ぐとオーレは大きく叫ばれた。右手を繋いでいると牛が巻き込んでくるようになってコヒーダされそうになる。

 クルサードしてナトゥラルを繋ぎパセ・デ・ペチョ。パセの時に牛が体を観るようになる。剣を代えて、スエルテ・ナトゥラルでピンチャソ。またピンチャソ。アビソが鳴る。後2回ピンチャソ。スエルテ・コントラリアでバホナッソ。2回目のアビソが鳴る。またしてもダメだった。が、8日にまた出るのでその時、期待できる。

 アルベルト・エルビラは、注目して良い闘牛士だ。ムレタでの右手のパセはとても形が良くラス・ベンタス闘牛場に何度もオーレをならせた。だが問題がないわけではない。カポーテで良いパセを観なかった。あれだけムレタが良いのだからカポーテでシンプルなベロニカを繋いで見せても良さそうなのだがそれがなかった。

 それと、ナトゥラルが右手に比べれば味がない。牛の誘い方は良いのだが、牛が誘っていないときに動いたときに、足が流れ腰が揺れるパセしかできなかった。こういうところは普段の練習で矯正できることなのだろうから注意して直して欲しい。また、剣刺しに行くときの牛の置き方が下手だ。この辺は才能かな。剣刺しも下手。もっと勉強することは一杯あるぞ。でも、右手のパセは本当に良かった。

 タトは、タトと言わず、トント、と言った方が良い。ビクトルは、耳取れたんだぞお前。剣が決まってりゃなぁ。アルベルト・エルビラも1頭目の牛で剣が決まっていれば耳を取っていただろう。勉強のし直しだぞ。来年、チャンスがあったらまた出て来いよ。その時こそ・・・。


http://www2u.biglobe.ne.jp/~tougyuu/以下のHPの著作権は、斎藤祐司のものです。勝手に転載、または使用することを禁止する。


ホームに戻る