セレスティーノ・クアドリの牛が、闘牛場の午後を退屈にした。

2005年4月6日セビージャ、レアル・マエストランサ(第1級)闘牛場の結果。

 晴れのち曇り。初めはTシャツでも暑いが日が暮れると風が吹き肌寒い。セレスティーノ・クアドリ牧場の牛(Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、セレスティーノ・クアドリ牧場。闘牛士、クーロ・ディアス、レアンドロ・マルコス、セルヒオ・アギラール。7割くらいの観客の入り。ソルのバレラにて、下山さんと一緒に観戦する。開始18時30分。終了時間は記録しなかったが5頭目が終わって20時30分だったので2時間20分くらいだろう。始まる前にパティオ・デ・クアドリージャで闘牛士のアップの写真が撮れた。

 クーロ・ディアスは、自信に満ちている。去年のサン・イシドロの活躍で彼の闘牛士人生は一変した。2003年2回しか闘牛が出来なかった男がサン・イシドロの活躍で何十回も闘牛が出来るようになった。だから初めの牛が、パセをするとずっと付いてきてパセが切れない危ない牛でもこれは仕様がないんだと焦ることなく、あきらめて次の牛に向かうことが出来るのだ。無意味な危険を犯す必要はない。こういう牛はどうしようないのでさっさと殺した方が良い。次の牛も悪い牛だった。初めの牛に比べればそれでもやりやすかったが、やっぱりパセが切れなかった。バンデリジェーロが良いバンデリージャ打って喝采を浴びた。牛は観客へ捧げられた。デレチャッソをするとブスカンドした。だから直ぐにナトゥラルをすればいいのに、何度もしつこくデレチャッソを繰り返した。後ろのおじさんは判っている人で、左角だ、左角でパセをしろと、何度も言っていた。その通りなのだ。でも、クーロ・ディアスはデレチャッソを繰り返した。そしてようやくナトゥラルを始めた。手の低いゆっくりとした美しいパセが1回繋がると闘牛場が沸いた。その後は、ブスカンドした。パセ・デ・ペチョ。ナト ゥラルをするのが遅かったのか、どっちの角でもブスカンドするので剣を代えてスエルテ・コントラリアで、カイーダだった。口笛と拍手がなる意見の分かれる結果になった。早くナトゥラルをしていれば結果は違っただろう。3人の中で1番牛が悪かった。

 レアンドロ・マルコスは、割と良い牛を引いた。初めの牛でパセを繋ぎ観客を沸かせたが、クルサードが足りない面白味のないパセの繰り返しだった。次の牛は、ブスカンドする牛だった。クルサードが足りないから牛が体の方に向かって来やすい。2,3度コヒーダされた。それは気味が悪いんでしょう。

 セルヒオ・アギラールは、去年涙が出るような感動を観客に与えた。期待していたが、まるっきりダメだった。殆ど何も出来ずに帰って行った。ただし、牛を誘うときの立ち位置は非常に良かった。初めの牛では、クルサードは角2本していたし、あれで牛が動かないなら納得する。最後の牛は、ブスカンドしたので出来なかった。去年の緊張感のあるファエナは何だったんだろう。牛が悪いと言えばそれまでだけど。

 昨日は闘牛が終わった後、満足感があった。良い闘牛だったからだ。今日は牛が悪く観客は消化不良だ。こんな日もあるのが闘牛だが、闘牛士が可哀想だ。


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