強風、パラ牧場のカブラの様な牛たち。

2002年6月5日マドリード、ラス・ベンタス闘牛場(第1級闘牛場)の結果。

 雲空で強風が吹き昨日より寒いマドリード、ラス・ベンタス闘牛場。牛、1,2,3,4,5頭目、パラ牧場。6頭目、カルメン・ボレロ牧場。闘牛士、ダビラ・ミウラ、ファン・バウティスタ、ヘスス・ミジャン。ほぼ満員。テンディド6、バッホにて観る。

 今日はノートを持っていったがボールペンを忘れた。隣の爺さんに1頭目が終わった後、ボールペンを借りた。記入して返そうとしたら、全部書くんだろう、終わってからで良いよと、言われノートを書くことが出来た。ありがとう爺さん。

 ダビラ・ミウラは、今日は良くやったと言うべきだろう。1頭目強風の中でのファエナ。右角が体の方を通るときブスカンドする牛。直ぐにナトゥラルに変える。強風が吹きムレタが旗のようになびく。とても、出来ような状態じゃない。パセの時腰が動くのもこれじゃ仕様がないのかも知れない。パセが繋がると、「オーレ」がなった。左手のパセ・デ・ペチョの時、右足の付け根辺りを角で突かれ服が破れる。やっぱり、右角の通るときは危ない。ナトゥラルを続けてから、デレチャソ。腰が引け足が動いているが、パセが繋がると、「オーレ」が続いた。この状態だから良いパセではないが、良くやっているという意味での、「オーレ」なのだ。剣は、メディアの後、ちゃんと決めた。挨拶。

 4頭目はカブラ(雌山羊)のような牛。闘牛の品格も気品もない。出てきたときから口笛が吹かれる。パセをすると角が傾斜して旋回していく牛。アビオンと言う。面白そうな牛だが強風が吹く。闘牛のやり方はアンダルシア風。クルサードが甘い。牛を誘うときに首を左右に振って迷っている。やりにくいのは判るがやることやらないと。パセ・デ・ペチョの時、脇が開いている。剣はカイーダ。

 ファン・バウティスタは、ノビジェーロ(見習い闘牛士)の時プエルタ・グランデした面影ない。全然ダメ。彼は牛が悪いと何もできないことが多いのは知っているが、それにしても・・・。牛も悪い。カブラの様な牛だし。カポーテでナバラをするが強風で続かない。ムレタでも強風が吹いてやりにくいのは判るが、クルサードしない。パセをすればムレタをはらわれる。腰が逃げているし・・・。5頭目も同じ。退場の時、あまり口笛も吹いて貰えない。惨めだ。良いところ見せないと、忘れられるぞ。

 ヘスス・ミジャンは、やることをやった。3頭目、カブラの様な牛。マンソで落ち着きもない。逃げ回る。それでもクルサードしてやっていた。しつこいくらい。パセ・デ・ペチョの後もちゃんと牛から距離を取っていた。パセの時、ムレタをはらわれる。やりにくい。6頭目の牛は、左角が体の方を通るとき、ブスカンドした。落ち着きがなくバンデリージャは苦労して打っていた。ムレタはデレチャソでクルサードしても始めから動かない。何度もクルサードして牛を誘うがダメ。それでも続ける。ナトゥラルをやるとムレタをはらわれる。やりにくい。牛が動かない。「マタロ・ジャ」と観客から何度も声がかかるがそれでもクルサードを繰り返しパセを繋ごうとするが、牛は全然動かない。剣は、少しずれているが決まった。これだけやって牛が動かないのなら、観客も納得。牛が悪かっただけと言われるだろう。

 牛が悪い。でも、それでも何とかしようとしていれば罵声は浴びない。ファン・バウティスタはダメだ。あれじゃ、悪くしか言われない。ミウラや、ヘスス・ミジャンはそうは言われない要素が多い。強風でやりにくい。牛もカブラの様な牛でしかもちゃんとやっても動かない。どうしようも牛だ。パラの牛は血統は、バルタサル・イバン。良い血統だけど、牧場がポルトガル。脚は悪くないが気性が闘牛向きじゃないような気がする。


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