2000年5月4日、セビージャの結果

良い牛をダメにしたペドゥリート。フリ空振りの日。

por 斎藤祐司

 午前中降った大粒の雨は嘘のように上がって快晴のレアル・マエストランサ闘牛場。ノー・アイ・ビジェテ。ソルのグラダにて観戦。周りには日本人が多かった。

 ファン・モラの1頭目は、左側の角が体の内側を通るときの方が良いパセの出来る牛だった。ムレタは膝を折ったパセから始め、左右のパセは手の低いパセを何度か見せた。剣刺しは、スエルテ・コントラリアで1発で良いところに決めた。

 2頭目は気性の難しい牛だった。集中力がないし、おまけにバランスが悪くアレナに角を突き立てて1回転した。ムレタでは、ナトゥラルの良いパセをするが、クルサードしていない。右手のパセの時はクルサードして足を大きく開いて長いパセを繋いだ。パセ・デ・ペチョは脇の開いていた。後半は、左右のパセともクルサードして足を大きく開いた長いパセや両足を揃えたパセをして異例に牛を回した。剣刺しは、ピンチャソ3回の後、バホナッソで入った。

 2頭目の牛は良く動かした。あの牛であそこまでファエナをしたら立派だ。でも、相変わらず剣刺し決まらない。

 ペドゥリート・デ・ポルトゥガルは、良い牛をダメにした。1頭目は、プエルタ・ガジョーラ前で膝を着いたラルガ・カンビアールをして始めた。ベロニカを繋げると「オーレ」がなった。キーテは、チクエリナの連発で馬の前に持っていった。ムレタでは、膝を着いたパセから始めた。長い右手のパセをするがクルサードをしていなかった。ナトゥラルでもクルサードしていなかった。右手の長いパセを2回続けて観客が沸く。が、つまらないパセが多かった。

 せっかく良い牛を、何故ダメにしたのか。それは、牛と自分の位置が常に同じ距離の所に立っているからだ。牛からの自分の立つ角度も全く変えない。だから牛は飽きてくるのだ。それでもパセを繋げたのは、良い牛だったから。何を考えているのだろう。もっと大事なことを勉強してこないとこのまま終わってしまうだろう。2頭目の牛は彼には出来なかった。それ以上の説明は必要としないだろう。

 エル・フリは、2頭目の牛は悪かった。カポーテに対しても、ムレタに対しても、動いている方と反対の方に首を向けたりするので、恐らく目が悪いのだと思う。ネットでは良い牛と書いていたが意味が判らない。

 1頭目の牛では、バンデリージャを打つところまでは申し分なかった。しかし、その時から思っていたが、ムレタでは牛が動かなくなるぞと。何故なら、それはほど持久力があると思えない牛に対していろんなカポーテ技をやりすぎた。観客を引きつけ、沸かせ、オーレを叫ばせても色々見せすぎだ。

 バンデリージャを打つときも、牛を走らせ過ぎた。あれでは観客をその時喜ばせることは出来ても、耳を取って本当に喜ばせることは出来ないだろう。デスカベジョ9回。明日に期待しよう。去年も2日目に耳3枚切ったのだから。


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