3人のバンデリージャを打つ闘牛士の競演だけが見せ場。

2001年6月4日、マドリード、ラス・ベンタス闘牛場。(第1級闘牛場) 

 快晴のラス・ベンタス闘牛場。ほぼ満員。

 モンテビエホ(ビクトリーノ・マルティン)牧場。闘牛士、エル・フンディ、ホセ・イグナシオ・ラモス、ファン・ホセ・パディージャ。

 エル・フンディは、ホセリート、ホセ・ルイス・ボテのマドリード闘牛学校時代の同級生。いつもこういう牛を相手にしてしかサン・イシドロに出ることが出来ない。もう10年以上もそうなのだから少しは牛の扱い方が上手くなっても良さそうなものだが全く変わらない。腰が揺れ、足が引ける相変わらずの非道いパセばかり。期待してないけど少しは上手くなっても良さそうなのもんだけど。バンデリージャを他の2人の闘牛士に渡し3人で打ったときだけが見せ場だった。それも、フンディはトロ・パサードじゃ・・・。

 ホセ・イグナシオ・ラモスは、期待してなかった。バンデリージャはしっかり角の間で打っていたのは良かったが、2頭目のバンデリージャではボロが出る。左回りで打つときはちゃんと出来るが右回りで行くと空振り。この辺は前と変わっていない。進歩がない。でも、ムレタでは、1番ちゃんと闘牛をやろうとしていた。クルサードをして誘っていたし、何とか動かそうとしていた。ブスカンドする牛に怯むことなくムレタを降り続けたのは立派。でもそれだけじゃ牛は動かないのよね。

 今日1番期待していたのが、ファン・ホセ・パディージャ。1頭目の牛のベロニカの時に、ムレタの時はナトゥラルから始める。牛を良く見ている証拠。が、腰が引け足を止めたパセが出来ない。腰が動くから余計牛がブスカンドする。右手だと自信があるのか体が動かない。クルサードしてパセをするが牛の返りが早い。体の直ぐ後ろに角が来る牛。危ない牛だ。でも、良いときのパディージャなら出来るはずだ。

 1頭目でケチが付いたので最後の牛もケチが付いた。目線の高い牛。ベロニカで左側から牛を通すときに右角が体の方に一瞬向かう牛で、危険な香りがする。ピカは出てきて定位置に着く前に反対側のピカドールの所に牛が行き、ピカは背中の尻の方に刺した。頭に来て思わず立ち上がって怒鳴った。何にも勉強してない何にも判らないピカドール。一斉に口笛が吹かれる。当然だ。この牛はビクトリーノ・マルティンが送る第二の牧場。この牛は危ない牛だけどシン・パラールする面白い牛。あのピカが牛をダメにした。ベロニカの時から返りが早くしかもパセの時にアビオンする。こんな牛はパディージャとちゃんとやらせたかった。そうすれば面白うファエナが観れたかも知れないのに。

 牛はブスカンドするし難しいが観ていてワクワクするようなファエナになりそうな感じだっただけにあのピカドールの下手さ加減には怒鳴りたくもなる。もっと牛のこと勉強しろよ。若いピカドールの方がその辺を判っている奴が多いような気がする。パディージャ。6日にまた会おう。その時は・・・。


http://www2u.biglobe.ne.jp/~tougyuu/以下のHPの著作権は、斎藤祐司のものです。勝手に転載、または使用することを禁止する。


ホームに戻る