2000年6月4日、ラス・ベンタス(マドリード)の結果

アドルフォ・マルティンの牛が場内一周!
オスカル・イガレスが耳1枚。

por 斎藤祐司

 午後まで雨が降っていたが快晴の闘牛場。アレナは雨のために濡れた状態だった。2頭目、3頭目、4頭目、と終わった後に砂を入れて掻きならしていた。エル・フンディ、ミゲル・ロドリゲス、オスカル・イガレス。

 エル・フンディについて一体何を書いたらいいのだろう。初めの牛は確かにやりにくい牛だった。が、2頭目の牛は出きる牛なのに怖がって、腰が揺れ、足が流れていた。クルサードしないから牛をちゃんとパセできない。呆れる。シン・パラール気味の牛だと全然まともなパセをしない。こういうのを泥棒というのだ。金返せって言いたくなる。まぁ技術を磨いてきてないので仕方ない。期待もしてないけど。

 ミゲル・ロドリゲスは、空振りだった。1頭目の牛ではクルサードして手の低いパセを何度か繋いだ。でも盛り上がってきそうになると、良いパセが繋がらなくなる。剣もバホナッソだった。2頭目は、パセすると膝を着きやりにくかった。でも何かが足りない。1番期待していたのにガッカリした。久々にモナキージョ・デ・コロンビアを見れたのが嬉しかったが。

 オスカル・イガレスは、良い牛に出会った。初めの牛では角2本越してクルサードして良いところ見せていた。剣はかなり後ろの方に刺した。彼は背が高いのでああいう失敗を時々する。2頭目の牛はまさにトロ・ブラボーだった。馬の前に牛を置くときもかなりの距離の所に置いて、ピカを刺していた。ピカドールも、馬を牛の正面で誘ってピカを刺していたので非常に盛り上がった。このピカドールは称賛に値するものだった。

 ベロニカも非常に良かったが、ムレタがまた良かった。右手の手の低い長いパセをすると牛は何度も何度もムレタについて動き回った。闘牛場はオーレを叫び続けた。ナトゥラルでも、手の低い長いパセで観客を沸かせた。パセ・デ・ペチョも脇は開いていなかった。牛が凄かったので良いパセが繋がった。剣は、何故かスエルテ・コントラリアで完璧な剣を決めた。耳1枚。牛は、場内一周になった。今年初めて牛の場内一周だった。良い牛を観た。

 エル・フンディに何かを期待するのは無理だ。良い闘牛をやろうと普段から思って闘牛をやっていない闘牛士そんなことを望んでも無理だからだ。ミゲル・ロドリゲスは、何かが足りない。料理で言えば味にうま味や香り食感が足りない。彼が剣を刺しに行くときに、尋常じゃない顔をするけど、ああいう顔のようなものが闘牛の中で不足しているのだろう。8日ガンバレよ。オスカルは、満面笑みを浮かべて場内一周をしていた。良い牛だったけど良い闘牛士なら2枚耳を取っていたような気もする。闘牛士としてはあまりにも身長がありすぎる。ただ、彼は真面目な闘牛士だ。おめでとうオスカル。


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