フガンド・ラ・ビダ!ペピン・リリア、耳1枚!

2001年6月3日、マドリード、ラス・ベンタス闘牛場。(第1級闘牛場) 

 快晴のラス・ベンタス闘牛場。ノー・アイ・ビジェテ。

 サムエル・フロレス牧場。闘牛士、ペピン・リリア、ダビラ・ミウラ、ファン・バウティスタ。体調不良のためTV(テレマドリー)にて観戦す。

 ペピン・リリアだけが目立った。初めの牛ではラルガ・カンビアールから始めた。キーテはガオネラを繋ぎラルガ。ムレタではクルサードしてパセをしていたが牛が思うように動かずペピンの真面目さだけが引き立った。2頭目の牛はマンソ。しかもカポーテを振ろうとすると前で立ち止まってブスカンドする危ない牛。ピカが入ると直ぐに痛がって逃げ回る。こんな牛はファエナにならないもの。マンソでは牛は交換にはならない。ペピンはこの牛のケレンシアを良く知っていた。テンディド5〜4のタブラ辺りがこの牛のケレンシアだった。これを判っているように右手の膝を折ったパセから入り牛に動きを教えていった。パセ・デ・ペチョ。「オーレ」がなった。パセにならない牛をこのように扱うこと自体が素晴らしい。

 クルサードして牛を誘う。タブラにくっつきそうなところまで来てクルサードして誘うがコヒーダされそうになる。それはそうだ。通常パセをするときはタブラを背にして牛を通す。それが反対になったときは危険を伴うのだ。それを知らないペピンではないだろう。知っていてそこまでクルサードしていく所が良い。ナトゥラルにもクルサードして繋ぎパセ・デ・ペチョ。喝采がなる。ナトゥラルをさらに繋ぐと「オーレ」が続いた。危ないのは判っている。でも、それを承知でパセをする姿に観客は興奮するのだ。トゥリンチェラが決まると立ち上がって拍手を送る。この牛で良くここまでパセを繋いだものだ。命がけのファエナだ。ナトゥラルを繋いで剣を代えた。スエルテ・コントラリアで良いところに決まった。価値のある耳1枚だ。ペピン、おめでとう。良いファエナだった。闘牛場で観てなくて御免。帰りに挨拶に行ったのにね。

 ダビラ・ミウラは、カポーテの時は腰が揺れていた。ムレタでも殆ど良いところがなかった。牛も良くなかったが。2頭目は後ろ脚が悪いためそれが前脚に来ていた。だから良いパセを引き出すのが無理かも知れない。それにしても退屈な時間だった。バンデリジェーロのパコ・ペーニャやファン・モンティエルを観ていた方が楽しいのはどうしてだろう?ミウラにはその意味は分からないかも知れないね。

 ファン・バウティスタは、ミウラよりはましだ。やろうとしている意図がまだ分かるからだ。牛が悪いのはみんなが知っている。それを何とかしないとベンタスでは何にもならないのだ。クルサードもかなり角度が深く入っていっていたし良いパセが繋がると風が吹いてファエナをダメにした。残念だが今年は運もなかった。来年も呼ばれるよ君は。それまでスペイン中の闘牛場に出れるのだからそこで観客を喜ばせないとね。フランスでスターでもスペインで本当のスターにならなければ意味がない。闘牛士の夢を追え!


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