ミゲル・アベジャン、コヒーダ。

2002年5月31日マドリード、ラス・ベンタス闘牛場(第1級闘牛場)の結果。

 曇っているが暑いマドリード、ラス・ベンタス闘牛場。コンクールソ・デ・ガナデリア。牛、1頭目、アルデアヌエバ牧場。2頭目、アルクルセン牧場。3頭目、グアダレスト牧場。4頭目、ロス・バジョネス牧場。5頭目、サムエル・フロレス牧場。6頭目、アグスティナ・ロペス・フロレス牧場。闘牛士、エロイ・カバソス、エンリケ・ポンセ、ミゲル・アベジャン。ノー・アイ・ビジェテ。テンディド6、バッホにてYさんと一緒に観る。ファン・カルロス国王今年2度目のサン・イシドロ観戦。横にはぺぺ・ドミンギンがいた。1頭目、エロイ・カバソス、2頭目、エンリケ・ポンセ、3頭目、ミゲル・アベジャンがそれぞれ牛を国王に捧げた。

 11年前観たカポーテが未だに印象に残っているエロイ・カバソス。今日は牛が悪くて、良いキーテが観れなかったが、1頭目のムレタで良いファエナをした。このメキシコ人は今年で52歳。牛を良く分かっているから出来るファエナをした。デレチャソを繋いでパセ・デ・ペチョ。距離を充分取って、それから牛に近づきモリネーテから入り腹を出すようにしてデレチャソを繋ぐと、「オーレ」がなった。牛はパセの後、膝を着く。牛に力がなく良いファエナが続けられなかったが、牛が動かなくなった後半で、牛を左側に置いて、右手でもってムレタを振って体の前と後ろでムレタを出して牛の首を振らせて喝采を浴びた。こう言うことが出来るは牛を判っているからだ。パセの時、体がピタッと止まっているし色々牛のことを知っている。メキシコのエスプラと言った感じ。

 エンリケ・ポンセは、2頭目で良いところを見せた。今日も良いデレチャソを繋ぐと、「オーレ」がなった。パセ・デ・ペチョは脇が開いているのでヤジが飛んだ。良いナトゥラルを決めたが、途中からムレタを角にはらわれた。牛はいまいち。ピンチャソ1回。の後決める。剣が始めにと決まっていても耳にはならなかっただろう。5頭目は非道い牛で、交換。替わって出てきたカルメン・ボレロ牧場の牛もダメ。

 ミゲル・アベジャン。カポーテの時からやる気を見せて何とか良いところを見せたいという気持ちは分かる。牛を誘ってから一歩も動かないチクエリナを繋ぐが、それでかえって牛をダメにしている。ムレタを持ったときは、牛が動かなくなる。3頭目。右手で試しのパセを膝を折ってしてから、アレナ中央まで離れ、牛を誘った。かなりの距離があったが牛は動き出した。面白いファエナになりそうだと、思ったが、ムレタは角にはらわれ、盛り上がりに欠けた。牛は直ぐに動かなくなった。それでもクルサードしてしつこくパセを繋ごうとするが、ホセ・トマスのような緊張感もないし、残念ながら牛も動いてくれない。やっていることは悪くない。長いファエナが続き、「マタロ・ジャ」と客席から声が飛ぶ。

 剣を代え、スエルテ・ナトゥラルでメディア。剣を抜きピンチャソ。牛の頭が中途半端に低くなかなか踏み込めない。まさかなぁーと、思っていたら、次に体を預けるようにして踏み込んで、剣を決めたが、角腹部に刺さってコヒーダ。体が角に持ち上げられ落下してからも牛はアベジャンの体を突こうをしたがクアドリージャサポートがあって助かった。ポンセ、エロイも走って助けに来た。角は幸い腹には刺さっていなかったが、右腹部の服が破けていた。こういう場合は唯単に服が破けたというだけじゃなく、腹部に角による打撲や擦り傷が突く場合が多い。また、打撲が非道ければ、内臓にも負担がかかる場合がある。

 闘牛は一変にアベジャンの味方になった。牛が倒れた後、喝采が鳴り、挨拶に出てきた。

 6頭目も非道い牛だった。キーテは、一歩も足を引かないチクエリナ繋ぎセルピエンティーナ。非道い牛だからそんなキーテをしない方が良いのに。エロイのキーテはチクエリナからメディア・ベロニカ。アベジャンはまた出てきて、一歩も足を引かないチクエリナ繋ぎメディア・ベロニカ、ラルガ。良いんだけど牛に負担をかけすぎ。バンデリージャは角の愛でしっかりと打ったカルロス・アビラが喝采を浴びて挨拶。

 ファエナは3頭目と同じ。動かない牛の前でクルサードしてパセを繋ぐがもう牛は動かない。しつこいように続けたがその努力対する拍手。

 今日はアベジャンのホテルに行き写真を撮ってきた。車に乗るときは良い顔していたけど、牛が悪かった。ポンセも、エロイもそう。ポンセは今年闘志が良いのでこのまま良いシーズンを送るだろう。アベジャンは4日また出てくる。ホセリートに替わり、アントニオ・フェレーラの出場が決まった。次に期待しよう。


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