アントニオ・バレラは剣で耳が消える。ルイス・ボリバルは牛を自分でダメにしていた。

2006年4月29日セビージャ、レアル・マエストランサ(第1級)闘牛場の結果。

 晴れ初めはTシャツでも暑いが日が暮れると風が吹き肌寒い。トレアルタ牧場の牛(Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、アタナシオ・フェルナンデス、リサルド・サンチェス牧場)。闘牛士、ミゲル・アベジャン、アントニオ・バレラ、ルイス・ボリバル。9割くらいの入り。。ソルのグラダにてお客さん10人と佐々木さんと観戦する。開始18時30分、21時頃終了。

 この日のミゲル・アベジャンは、一言で言えば牛に恵まれなかった。パセをすれば牛が膝を着く。パセが通れば牛は逃げていく。そんな牛を2頭も相手にした。良いんだ今日は仕様がない。腐らずに続けることが大切だ。

 アントニオ・バレラは、今日1番観客を沸かせた。初めの牛で良いファエナをした。膝を折ったデレチャッソを繋ぎ牛の動きを確認しながらパセが繋がるとビエンの声が出た。アレナ中央で距離を取りデレチャッソで牛を誘い長いパセが4回繋ぎパセ・デ・ペチョ。拍手がなる。デレチャッソで牛を誘い長いパセが4回繋ぎパセ・デ・ペチョ。拍手がなる。ここで楽団がパソドブレの演奏を始めた。手の低いデレチャッソがが繋がるとオーレがなった。レマテはパセ・デ・ペチョ。拍手がなる。牛に背中を見せて歩いていく闘牛士を観てお客さんが牛が来ないのと質問。パセをちゃんとやっているから牛が疲れているので来ませんと答えた。男性客は、格好いいなぁと漏らす。

 ナトゥラルからパセ・デ・ペチョ。拍手。ナトゥラルからパセ・デ・ペチョ、トゥリンチェラで拍手がなり剣を代えた。最後は体の近くを通すマノレティーナを3回トゥリンチェラ、パセ・デ・ペチョでオーレがなり喝采がなった。剣が決まれば耳だったがピンチャッソ。そのあと、レシビエンドでカイーダに決まった。牛が倒れ、白いハンカチは少しだけ振られた。喝采を浴び場内1周。

 ルイス・ボリバルは、最後の牛で観客を沸かせた。ラルガ・カンビアールで歓声が上がり、ベロニカをを繋ぎレマテはラルガを決めると拍手がなった。キーテは、チクエリナを繋ぎラルガ。牛が膝を着く。この頃から牛の右前脚が悪い。ピカは、左前と右前に入った。バンデリージャが終わりアレナ中央で牛を遠くから誘ってファエナが始まった。手の低いデレチャッソが4回繋がりパセ・デ・ペチョで拍手が沸く。牛からまた距離を取り遠くから牛を呼び手の低いデレチャッソが4回繋がりパセ・デ・ペチョで拍手が沸く。距離を取り手の低いデレチャッソが4回繋がりトゥリンチェラで拍手が沸く。良い感じでファエナをしている。右の方が良い牛なのでこのまま繋げば耳が取れそうだった。離れデレチャッソを4回繋ぎパセ・デ・ペチョ。

 ここまま続ければ良かった。何故かナトゥラルを始めた。頭の高い牛は左だとムレタを払い長いパセが出来ない。誘うときの距離も段々縮まり1mくらいになった。それでもナトゥラルを繋ぎ続けた。結果として牛が悪くなった。初めてのセビージャ。観客は彼のファエナを理解せずに、この事に彼自身が根負けして自分のファエナを続けることが出来なかった。他人に理解して貰おうとするなら、一時的にでも徹底して何かを続けなければならない。そこのことを彼は出来なかった。身なら闘牛士時代にはラス・ベンタス闘牛場を沸かせた男。自分の全てを出せとは言わない。でも、普段から自分の闘牛のスタイルを貫き通す事が出来なければフィグラにはなれないのだ。

 今日は耳が出なかったが、アントニオ・バレラが観客を沸かせた。

 時間がないのと、観戦記が溜まっているので、簡単に記述することにした。


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