2000年4月29日、セビージャの結果

モランテ、耳2枚の後、コヒーダ!
現在手術中。非常に重大な重傷を負った可能性がある。

por 斎藤祐司

 ノー・アイ・ビジェテの闘牛場。フェリア前日。モランテは観客の声援に応えるだろう。そんな期待を持ちながら闘牛場に着いた。今日は、良い席の切符が手に入らなかったが、雨が降りそうなのでグラダの方が濡れなくて良い。

 マンサナレスは、いつの間にか耳1枚を取っていた。クルサードもせずにパセを繋いでいただけなのに。ムレタの誘い方はいつも体の横に出していたし、手の高いパセをしていた。牛を動かすだけでセビージャは、「オーレ」がなる。剣刺しが良いところに決まって耳1枚。何処が良いのか判らない。何故耳なのと、ビックリしてしまう。しかし、マンサナレスは今年で引退。最後のマエストランサを耳で飾ったことになる。2頭目は牛が悪かった。

 リベラ・オルドニェスの、1頭目の牛は、パセの後にすぐ振り向く。ムレタは膝を折ったパセから始めた。牛が悪いのでこの方が体の外を通るので牛に動きを教えて行くには良いのだ。真面目にパセを繋いでいた。剣はバホナソ。2頭目は、ベロニカの後のメディア・ベロニカをゆっくり決めた。良い牛なのに2回転んだ所で交換になった。分けが分からない。代わった牛は、悪い牛だった。

 クーロ・モリーナのバンデリージャに喝采が沸く。アルカラ・デ・グアダイラの闘牛場でいつも練習しているから他のバンデリジェーロを動きが違う。リベラは、パセを繋ぎ、シルクラールを喝采を貰う。牛はパセの後に数回倒れる。その内牛が動かなくなる。これは左前脚に力がないためだ。剣刺しは、1発で決めるがバホナッソ。ファエナも牛が悪いので、良くないし、剣刺しも悪いのに場内一周。何故だ?分けが分からない。

 モランテは、2頭目にコヒーダされる。左手でムレタをたたんで牛を誘ってパセを始めた。ナトゥラルからムレタのパセを始めるのは非常に珍しいことだ。ピカドールと牛の距離が判るように引かれている赤い線の辺りでパセをしていた。初めのパセ・デ・ペチョの後、またナトゥラルを続けた。タブラの方を向いてナトゥラルをしたときに、牛はモランテをコヒーダした。

 モランテの体が、2回転した。角が刺さったのか、どうなのか判らない。服には血が着いていた。しかし、牛の返り血かも知れない。闘牛場の帰りに、闘牛写真家のパコ・カノが言っていたのは、「角が尻から入って骨盤にあった。骨が折れているかもしてない。神経に角が達しているかどうかは判らない。あんな非道いコヒーダは見たことがない。」と、言うものだった。

 これはカジェホンに座っていたパコ・カノの話だから、医務室からの話なのかも知れないので信憑性がたいそうだ。が、そこはスペインだ。本当のところは判らない。

 モランテの1頭目は、良い牛だった。左側から牛が通るときに(デレチャソのパセの時)、体を狙いにそうになる。クルサードしてパセを繋ぐ。左手のモリネーテにあんなに立ち上がって拍手を貰っているのを見たのは初めてだった。剣刺しは、レシビエンドで決めて、耳2枚。当然だ。

 モランテの怪我が心配だ。帰ってきてインター・ネットを見たが、手術中としか書いてなかった。ビデオを録画してるはずだったが、チャンネルを間違えたみたいで見れなかった。モランテの怪我が軽いことを祈る。彼は、コヒーダされた後、腰から下が動かなかった。いや、動かせなかった。手術の成功と、怪我か軽いことを祈って観戦記の言葉にする。


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