耳が痛い!「オーレ」の絶叫と喝采!ホセ・トマス、プエルタ・デル・プリンシペ!

2001年4月28日セビージャ(第1級闘牛場)

 快晴のレアル・マエストランサ闘牛場。ヌニェス・デル・クビージョ牧場。ホセリート、ホセ・トマス、フェルナンデス・ピネーダ、=トマール・デ・アルテルナティーダ。

 アルテルナティーバだった、フェルナンデス・ピネーダはカポーテの時にコヒーダされて右手を怪我した。無理をして続けていたようでそのせいか上手く出来なかったのか、実力がなくて出来なかったのか・・・。牛も良くなかったが・・・。1頭目の牛の剣刺しはバホナッソ。テンディダ気味に入る。デスカベジョを2回失敗。もう1度剣刺しをしてピンチャッソ。デスカベジョ4回失敗。アビソ2回。手が痛く医務室に向かう。ホセリートが出てきてデスカベジョ1回で決める。ホセリートに対して観客は喝采を送った。フェルナンデス・ピネーダについて残念だがあまり書くことがない。

 ホセリートは、1頭目のカポーテの時に風で上手くカポーテを振れなかった。牛にカポーテを引っかけられていた。この牛はカポーテの時に右から左に通すのが危ない牛だった(ムレタではナトゥラルの時に危ない牛)。ムレタを持って右手のパセを試みるが全く出来ない。何度やってもダメだった。ホセリートはナトゥラルでやってもダメなことをちゃんと知っているのでナトゥラルをしなかった。それは正解だ。直ぐに剣を代えて剣刺しをした。口笛が吹かれたがそれは気にする事はない。まるで闘牛にならない牛が出てきたからだ。

 2頭目も牛が悪かったが何とかパセが繋げた。ムレタでは右手のテンプラールの長いパセが決まると「オーレ」の声が闘牛場響き渡った。右手のパセが繋がってパセ・デ・ペチョが決まると喝采がなった。ナトゥラルはまあまあだった。途中で牛が動かなくなって折角のファエナが中だるみしたものになった。剣はスエルテ・ナトゥラルで良いところに1発で決まった。耳を観客は要求したが出なかった。ちょっと足りなかったと思う。

 フェルナンデス・ピネーダが医務室に行ったまま帰って来なかったためにホセリートが最後の牛を相手にした。1頭目よりは未だましな牛だったがこの牛も非常にやりづらい牛だった。カポーテでは角に持って行かれてイライラしていた。ムレタでも殆ど良いところを出せなかった。今日の牛はダメだったから仕方がない。運が悪かった。

 ホセ・トマスは一体何者なんだろう。よくあんな牛でファエナが出来るもんだ。今日の牛の中で1番良い牛だった。それでもファエナにならないだろうと心配していたらそんな危惧は不要だった。ブリンディースは観客に捧げられた。ムレタでは、膝を折ったパセから始め、中央に行きナトゥラルを繋いだ。パソドブレが鳴った。パセを通す時、角はホセ・トマスの足ギリギリに通って行くが体は微動だもしない。「オーレ」の絶叫がこだまして牛に背中を見せると喝采が鳴り響いた。耳がギーンと鳴ったまま鼓膜がおかしくなってくる。ちょっと、耳が痛いから静かにしてよ。耳鳴りみたいにずーと鳴り放しで耳がおかしくなりそうだ。

 おっちゃんの野太い声が闘牛場にこだまする。「オーレ、オーレ、オーレ」もう総立ちになっている。男だけじゃなくて女まで立っている。こんな闘牛士いるか。呆れる。剣はスエルテ・ナトゥラルで少しずれたが1発で決めた。白いハンカチが闘牛場の観客席を埋め尽くした。耳2枚。ちょっと甘いような気がしたが観客が要求しているのだから当然だろう。

 2頭目の牛はさらに悪かった。それでもカポーテから沸いた。ベロニカを繋ぎメディア・ベロニカ。良いメディアだった。牛はコッホになったが今のホセ・トマスには関係ない。パセの後膝を着いていたがそれも問題なかった。ビデオを撮りながらなので殆ど書けない。だから記録に残ってないがビデオには残っている。ホセ・トマスファエナはほぼ全て取ったので6月の闘牛の会にはビデオを持っていけるだろう。僕は行けないけど。これも耳1枚。

 4月15日に続いてセビージャでプエルタ・デル・プリンシペを達成した。こんな事があるのだろうか。これで30日の切符はさらに高くなるだろう。もう勘弁してよ。金がなくなっちゃうじゃないか。困ったもんだよホセ・トマス。もう、止める奴はどこにもいないだろう。牛が悪くてこれなんだから30日のファン・ペドロ・ドメク牧場の時は耳4枚取るのだろうか。


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