風が吹いて寒いだけ。

2002年5月26日マドリード、ラス・ベンタス闘牛場(第1級闘牛場)の結果。

 曇っていて強風の吹くマドリード、ラス・ベンタス闘牛場。牛、ラモン・フロレス牧場。闘牛士、マノロ・サンチェス、ハビエル・バスケス、アルベルト・ラミレス。ノー・アイ・ビジェテ。テンディド6、バッホにて観る。

 こんな事は書きたくないが、マノロ・サンチェスにはガッカリした。10年も前に目を付けて、良い闘牛士になるだろうと思ってみてきて、92年のサン・イシドロで見習い闘牛の時、プエルタ・グランデし、泣きながら耳を持って場内1周したときはジーンとした。あれからずっとスペインに来る度に観てきたけど、今日は最悪。1頭目の風が強くふていてもやっている場所を変えようとせず、ムレタを左右に振って剣を代えた。闘牛のやり方知っているの?と思ってしまった。あの牛ならもう少し良いところを引き出せたはずなのに。それでも今日の、ディレクトール・デ・リディアなの?

 4頭目は、牛を判ってないからだろうけど、ムレタを角ではらわれていた。パセの時怖くて腰が逃げているし、メディア・パセになってきているのに、それでも続けようとしている。クルサードはしないし・・・。マノロの良いところは1つもないじゃない。俺はそんなの観たくないよ。あの美しいパセを繋ぐマノロは何処へ行ったんだ!あの頃、歩く姿まで美しかったのに・・・。

 その点、ハビエル・バスケスは、強風が吹いていることを頭に入れて闘牛をやっている。風のあまり吹かないテンディド3,4でファエナを始めクルサードしてムレタを体の前に出して牛を誘っていた。良いパセは牛が悪かったから出なかったけど、仕事は丁寧。まっ、5頭目は左目のない彼には出来る牛じゃなかった。それは仕方ない。でも、デスカベジョを7回やっても決まらなかったのは戴けない。物凄い口笛を吹かれてもそれは仕方ない。

 アルベルト・ラミレスは、パセの形は悪くないが、牛を知らない。見習いの時、観たときは良い闘牛士になるんじゃないかと期待した1人だったが、これじゃーな。風の少ないテンディド4辺りでファエナを始めたのは良い。パセを繋ぐから沸くけど、クルサードしたパセじゃないし、腰が動いていた。ムレタは角にはらわれるし、牛はパセの後膝は着くし、パセ・デ・ペチョの後、牛からの距離を取らない。牛が来る位置に立っていても、ムレタを気にしたり、もう滅茶苦茶。ハズレだなぁ。6頭目の剣刺しがピンチャソ4回でデスカベジョをしたのには呆れました。

 風が吹いて寒いだけの闘牛。今日は日曜日なので日本人が結構来ていた。例によって3頭目が終わると帰る。牛も悪い。闘牛士も悪い。あれだけ好きだったマノロ・サンチェスに今日は、「闘牛士を変えろ」と言いたくなった。今日は風邪悪くならないだけ良かったかな。いや、これじゃトレド行って、ポンセ、ホセ・トマス、エウヘニオを観た方が良かった。失敗した。


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