カバジェーロ、エウヘニオ、良いファエナをした。

2001年4月26日セビージャ(第1級闘牛場)

 曇り空のレアル・マエストランサ闘牛場。アルクルセン牧場。闘牛士、マヌエル・カバジェーロ、フランシスコ・リベラ・オルドニェス、エウヘニオ・デ・モラ。約2/3の観客の入り。

 バレンシアの闘牛の直後弱気な発言をしていたマヌエル・カバジェーロを心配していたが、そんな必要はなかった。悪い牛が当たるとどうにもならないときがあるのだ。この日の1頭目はマンソの牛。アルクルセンの牛なので期待していたのにがっかりした。しかし、2頭目では良いファエナを見せてくれた。手の低いテンプタール(ゆっくりした)の長いパセを何度も繋いで観客を沸かせた。玄人受けするファエナだ。

 後半になって牛が動かなくなったのは、牛に力がないないからだ。カバジェーロはクルサードして牛を誘っていたが牛は疲れて動かなかったからだ。耳の要求がなかったのは後半の牛の動きが悪かったのと、剣刺しがテンディド(角度が浅かった)だったから。それと玄人受けするファエナだったからだ。カバジェーロは良い仕事をした。ファン・アントニオ・カレテロが良いバンデリージャを打って、モンテラ(帽子)を取って観客に挨拶した。

 フランシスコ・リベラ・オルドニェスは、牛も悪かったが内容のない闘牛だった。キーテでガオネラを見せたが汚い技だった。それでも、セビージャの観客は喜んでいるのだからそれはそれで良いだろう。最近俺も寛容になったもんだ。前ならヤジの一つも叫んでいただろう。クーロ・モリーナが良いバンデリージャを打って、モンテラ(帽子)を取って観客に挨拶をした。

 エウヘニオ・デ・モラは、耳を取れなかったが良い仕事をした。1頭目の牛では、キーテの時にコヒーダされた。やりにくい牛だったがクルサードが足りなかった。剣刺しは良かった。2頭目では、バンデリジェーロがコヒーダされて助けに行ったとき、牛の脚が蹴った砂を目に入れて痛がっていた。水で流してもなかなか取れなくてカポーテを振らないままムレタの場に移った。それで怯んでファエナにならないだろうと思っていたら良いファエナを見せた。

 牛は非常に力の弱く誘っても動かなかった。クルサードしてムレタを出して誘っても動かない。声を張り上げても動き出さない。それでも、丁寧に繰り返して牛を動かしてパセを繋いだ。パセが繋がると闘牛場に「オーレ」の声が響きパセ・デ・ペチョが決まると喝采がなった。パソドブレが流れ動かない牛を何とか動かして悪い牛から感動を引き出した。剣はピンチャソ1回の後、テンディド気味に決まった。場内1周。

 今日は、メンバーにも牛にも期待していたが牛が悪かった。今年のアルクルセンは良くないのだろうか。エウヘニオは残念だったが、カバジェーロはもう1日あるのでその日に期待しよう。


http://www2u.biglobe.ne.jp/~tougyuu/以下のHPの著作権は、斎藤祐司のものです。勝手に転載、または使用することを禁止する。


ホームに戻る