99年5月24日、ラス・ベンタス(マドリード)の結果

La gente muy dificil.

por 斎藤祐司

 

 牛、アルクルセン。闘牛士、セサル・リンコン、エンリケ・ポンセ、マヌエル・カバジェーロ。

 1頭目、セサル。牛は、ケレンシアか気性に問題あり。カポーテの誘いになかなかのらない。ピカは左肩上に入る。次は肩後ろに入る。アドルフォが良いバンデリージャを2回撃った。ファエナは、アジュダード・ポル・アルト4回からはいり、トゥリンチェラ。場所を中央部に移して牛を遠くから誘う。牛はムレタに向かって走っていった。セサルは足を大きく開いて大きなパセをゆっくりやった。パセを繋ぐが、「ピコ」とヤジが飛ぶ。ナトゥラルも手の低いパセをする。剣刺しは、スエルテ・ナトゥラルでピンチャソ。スエルテ・ナトゥラルで決まる。デスカベジョ1回。

 2頭目、ポンセ。首の高い牛。牛がタブラ(柵)を飛び越えようとした。ベロニカを繋ぎラルガで決める。ピカは右肩上に入る。離されて牛が転んだ。ピカはさっきと同じ所に入る。良いバンデリージャを2回マリアノが撃った。膝を折ったパセから始める。パセ・デ・ペチョの時に脇が開く。ポンセのパセは体の外から外へ廻す。ナトゥラルを繋ぐが、口笛と拍手が混ざっている。クルサード不足とピコが原因。剣を代え、アジュダード・ポル・バッホを繋ぎ、スエルテ・コントラリアでピンチャソ。デスカベジョ5回。口笛が鳴った。

 3頭目、マヌエル。膝を折るパセから始め、カポーテが角に持って行かれる。ピカは、左肩の背骨よりに入る。ファエナは、左右のパセを繋ぐがピコとクルサード不足。口笛が鳴る。剣を代え、スエルテ・ナトゥラルで決める。良い刺し方。

 4頭目、セサル。両膝を着いたラルガ・カンビアール2発。ベロニカは足を止めて出来ず。ピカは肩上に入る。キーテは中央でチクエリナ3回、ラルガで決める。次のピカも同じ所に入る。ポンセにキーテはまともなパセを出来なかった。ファエナは、右手の足を大きく開いたゆっくりとしたパセを繋ぐ。右手のパセの後に、右足を一歩引いて向きを変えて5回パセを繋ぎ「オーレ」がなった。が、途中から牛が動かなくなった。クルサードはしている。剣を決めて終わった。

 5頭目、ポンセ。パセの時に牛が飛ぶ。ピカは瘤の後ろ。膝着く。離されてまた膝着く。牛交換。 代わった牛は、カポーテの誘いにのらない。中央でパセを繋ぎ、足を止めたベロニカを繋ぎ、メディア・ベロニカで決める。ピカは肩の後ろに入る。牛膝着く。離されてまた膝着く。牛交換。  ベロニカを繋ぎ、ピカは肩の後ろに入る。次の同じ所。ファエナは、クルサードして右手のパセを繋ぐ。パセ・デ・ペチョは脇が開いている。脇が開いていることに抗議して当然としてもクルサードしているのに抗議しているのには首を捻る。何故?剣を代えてスエルテ・コントラリアでバホナソ。

 6頭目、マヌエル。シンプルなベロニカを繋ぎ味のあるメディア・ベロニカを決める。ピカの後膝を着きながら走った。次は左肩前上に入る。ファエナは右手から始める。そして、ナトゥラルは手の低い良いパセを繋いだ。クルサードしているが口笛が鳴る。これじゃ闘牛士が可哀想じゃないか。牛のパセの後、転んだりしている。

 マドリードのラス・ベンタス闘牛場の観客は難しい。パセ一つ一つにクルサードしないと認めようとしないうるさい観客がこの闘牛場のオピニオン・リーダーだ。今日の3人の闘牛士は良くやった。これでも耳が1枚も出なかった。これじゃ闘牛士達は迷ってしまうだろう。ここは世界一評価の厳しい観客が相手だ。耳を取ることは非常に難しいのだ。

 今日は、ファン・カルロス国王が来ていた。その母親のバルセロナ公爵夫人も来ていた。そして、ポンセの兄と一緒にレアル・マドリードのラウルも来ていた。今日は良いカルテルだったが・・・。牛も良かったが・・・。マドリードは難しい。


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