99年4月24日、セビージャの結果

ポンセ耳1枚

por 斎藤祐司

 

牛、エル・トレロ。闘牛士、リトリ、エンリケ・ポンセ、エル・コルドベス。

 1頭目、リトリ。書くことがない。眠気と共に時間が過ぎた。何やってだ、リトリ。君の闘牛は何処へ行ったんだ。

 2頭目、ポンセ。
1頭牛を代えた。ポンセはクルサードせずに牛を誘いナトゥラルを繋ぐ。しかもピコ。パセは繋ぐのでセビージャでは受けている。右手もまた同じ。ピコで牛を廻して観客を熱狂させた。そして膝を折った左右のパセ、右手から左手にムレタを持ち替えてのパセを決めて、膝を折ったまま見栄を切った。耳のはずだった。多分1枚切っただろう。しかし、ピンチャソ2回、メディア・エストカーダでデスカベジョ1回。拍手に答えて挨拶。ブエルタもなかった。ポンセは自分に怒っていた。

 3頭目、コルドベス。牛はトリルが開いたのに出てこない。通路の暗がりの中にいる。背中と棒で突かれてようやく出てきた。期待できないかも知れない。初めのパセで立ち上がるほど前脚をあげた。コルドベスがベロニカを繋ぐと後ろ脚のバランスが悪いのが解った。真面目にパセを繋いでいるが牛は思うように動かない。左角の先が割れている。ピカは、左肩骨と背骨の間。

 バンデリージャを撃ったときカポーテでのパセでは反応が悪い。特に右側を通す時悪い。

 初めの右手のパセには牛は反応していたが5,6回パセしたら動かなくなった。さっさと剣を代えた。ピンチャソ1回、次ぎに剣を決めた。デスカベジョ1回。牛が悪い。これでは何もできない。

 4頭目、リトリ。牛はベロニカで左脚を痛めた。ピカは左肩上あたり。良く膝を着くようになった。それに変な動きをする。牛交換。

 交換した牛はトリルの前で止まったまま動かない。かなり苦労しそうな牛。リトリが出ていってパセするが、動きが可笑しい。ピカを刺すと後ろを向いてけりを1発。場内に笑いが起こる。バンデリージャは牛の動きが読めずに苦労している。6回撃ちに言って1本しか刺さっていない。凄い口笛の中、テルシオが変わった。

 この悪い牛でリトリはパセを繋いで歓声を浴びる。左手のパセには味がない。そして牛も動かない。剣を代えて良い剣刺しをした。音楽が鳴らなかったのでブエルタもないだろう。

 5頭目、ポンセ。ベロニカを繋いでラルガ。牛球節を痛める。ピカは右肩前の瘤の後ろに入った。ポンセは牛を観客に捧げた。膝を折った右手のパセからファエナが始まった。右手のパセを繋いで左手でパセ・デ・ペチョを決めて観客の気持ちを捉えた。パソドブレが流れポンセは牛をパセで廻す。脇の開いたパセ・デ・ペチョもここセビージャじゃ観客は喜ぶのだ。

 左手のパセ・デ・ペチョは牛がムレタの前で止まって何回か誘ってパセをする。歓声と拍手が沸くレアル・マエストランサ。剣刺しは1発で決めた。牛はもんどりうって崩れ落ちた。白いハンカチが揺れる。耳1枚。

 6頭目、コルドベス。彼はチクエリナに磨きが掛かった。ゆっくりとしたパセ、足を引かない所が良い。ピカは左肩側に刺さった。左側を通すパセでは牛は動くが右側は誘っても来ない。

 ムレタでは牛は座り込んでしまった。起こして右手のパセ。誘うがなかなか来ない。クルサードが足りないからだ。クルサードすれば牛は動く。コルドベスは真面目にパセを繋ぐ、牛もそれなりに動く。しかし、疲れて動かなくなる。角の直ぐ近くでクルサードして牛を誘う。何とか動かしてパセ。剣刺し。スエルテ・コントラリアでピンチャソ。ピンチャソ・オンダ。デスカベジョ2回。

 今日はポンセの牛だけ良い牛だった。3人の中で実力の違いを見せた。


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