エル・シド剣刺し失敗して耳逃す。

2001年4月24日セビージャ(第1級闘牛場)

 曇り空のレアル・マエストランサ闘牛場。エル・ピラール牧場。闘牛士、エウヘニオ・デ・モラ、ファン・バウティスタ、エル・シド。

 エウヘニオは、2頭目のカポーテでは良いチクエリナを3回決めメディア・ベロニカで締めた時だけ良かった。ムレタでは、彼独特のパセ・デ・ペチョをすることが出来ない。牛が悪く思うように動かせなかったからだ。それでも1頭目のムレタでは観客を沸かせたがあれ以上やるのはなかなか難しかっただろう。剣は1頭目はバホナッソ。2頭目は良い剣が良いところに刺さった。2回とも喝采を浴びたが残念な結果に終わった。

 ファン・バウティスタは、3回も牛を代えた。どうしようもない牛ばかりが出てきてカポーテもムレタでもやりようがない。おまけにはじめの牛の交換の時は、プエルタ・デル・プリンシペの所のタブラになっている入り口の扉がピカドールの馬が当たって壊れそれを直すのに20分以上かかって観客は口笛を吹いた。2頭目の牛はブルラデラに当たって右角を折って交換。次はコッホで膝を着いてばかりで交換。変わった牛は、いきなり走り出すし、右利きで非常に危ない牛だった。丁寧のムレタでパセを繋ごうとしたが無駄。ナトゥラルの時がより危なかった。でも、剣刺しが2回ともバホナッソだったのはいただけない。

 今日1番良かったのは、エル・シド。最後の牛も悪かったがあれだけ動かせるのだから上等だ。マジックのように牛が動いた。問題は1頭目だった。カポーテの時何度も膝を着いていた牛をムレタでは、良く動かした。膝を折った右手のパセから始め、足を開いた右手の長いパセを続け左手のパセ・デ・ペチョをするとパソドブレが鳴った。闘牛場に、「オーレ」がなり右手の背中の方から牛を呼んでシルクラール、パセ・デ・ペチョ、ナトゥラル。長いパセが繋がった。耳が出るはずだったがスエルテ・コントラリアでとんでもない横にピンチャッソ。もう1度ピンチャッソ。バホナッソ。折角のチャンスを生かすことが出来なかった。

 エル・シドの様にチャンスをものに出来ない闘牛士は栄光を手に入れることが難しくなる。可哀想だが自分の責任だ。今日はセビージャの天気のようにお寒い内容だった。観客の入りはソンブラテンディドは満員状態だったが、ソルの方はかなり余裕があった。半分以上2/3以下の入りだった。


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