それだよ、それ。ダビ・ルギジャーノ。

2003年5月23日マドリード、ラス・ベンタス闘牛場(第1級闘牛場)の結果。

 晴れているが風が強いラス・ベンタス闘牛場。アラウス・デ・ロブレス牧場。闘牛士、ダビ・ルギジャーノ、ビクトル・プエルト、アントニオ・バレラ。ほぼ満員。テンディド6で三木田さん、Tさんと観戦す。

 ダビ・ルギジャーノは、1頭目は何だこりゃと言うファエナだったが、4頭目は良かった。右手の膝を折ったパセから始めてパセ・デ・ペチョ。今度はクルサードも深い。感激したのが、右手のパセを繋いでパセ・デ・ペチョをやった後、充分距離を取って牛から離れムレタを左手に持ち替えて近づいてくるとき、ムレタを左右に振って牛を動きを確かめるやり方には、それだよ、それと、思わず言いそうになった。こういう仕草にはグッと来る。お前判っているじゃないか。と言いたくなる。そして、正面を向いてナトゥラル。手の低い長いナトゥラルが繋がると闘牛場に、「オーレ」がなった。みんなそれを見たいのよ。実に美しいナトゥラルだった。パセ・デ・ペチョで喝采が鳴る。

 でも、残念ながらここだけが凄く良かったが、後は良いパセが繋がらなかった。あのナトゥラルをもっと繋いでいれば・・・。それでも右手のパセを繋いで少しは盛り上げた。剣はスエルテ・コントラリアで良いところに決めた。牛の前に立ち腕を左右に振って倒れるよとポーズを取ったがなかなか倒れそうで倒れない。剣は深い角度で刺さっていた。口から血も垂れていたが・・・。牛はしばらくしてから座った。本人は耳と勘違いしてアレナの中央に走っていって両腕を広げて拍手を受けたが、観客の耳要求は少なかった。あれは耳に値しないファエナだ。しかし、あのナトゥラルは最高だった。これは本当だ。ナトゥラルの前の牛の動きを確認するためにムレタを左右に振っていたのも含めて感激した。

 ビクトル・プエルトは、1頭目のルギジャーノの牛のキーテが良かった。どちらかというと1頭目の牛の方でやった方が良かったかも知れない。でも、5頭目はもっと出来る牛だった。パセが短くパセ・デ・ペチョの後に距離を取らないので牛は疲れて益々動かなくなった。勿体ない。今日は良い仕事が出来なかった。

 アントニオ・バレラは、こんなもんだろうか?印象に残らない。牛が悪いのはある。3頭目の牛では観客は牛の交換を要求した。でも、膝を着いたりしないので交換にはならなかった。プレシデンテに昨日に続いて罵声と口笛が浴びせられた。これだけ牛が悪いと、プレシデンテばかりを責めていられない。悪いのは興行主のトレスマ2。つまり、ロサノが悪いと言うことになってくる。実際闘牛場のあちこちでそういう声を聞く。

 最後の牛は、ピカで動きが鈍くなり、ムレタになると右手のパセの時にブスカンドする危険な牛だった。だから早い段階で剣を代えて殺した。

 


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