99年4月23日昼、セビージャの結果

イグナシオ・ガリバイ、ブエルタ。

por 斎藤祐司

 

 若牛、マルテリージャ。見習い闘牛士。アントニオ・バレラ、イグナシオ・ガリバイ、ファン・バウティスタ。

 

 1頭目、バレラ。バレラは悪い牛なのに観客に牛を捧げた。こういうところでも彼の才能のなさが分かる。牛の事もっと勉強した方が良い。遅いかも知れないが。牛は動かなく、特にナトゥラルの時はブスカンド(闘牛士の方に角を向け刺す物を捜すこと)している。右手でパセしても牛は直ぐ振り向いて頭が直ぐそばに来る。こうなることは初めから判っていたこと。でもバレラには判らなかった。彼はパセを繋ごうとしたが上手くできなかった。剣刺しも5,6回ピンチャソをし、それから決めたがそれだけだ。

 2頭目、ガリバイ。シンプルなベロニカから始めチクエリナ、メディア・ベロニカは手を離すようなパセをして一連のランセを終えた。良い牛だ。なかなかやるじゃないか、ガリバイ。バウティスタがキーテをするがガリバイの方が良かった。ファエナは盛り上がりに欠けるがパソドブレが鳴った。最後の方の右手のパセを繋いだ所やパセ・デ・ペチョが良かった。脇が開いているかどうかはこの角度では判らない。剣刺しは1回ピンチャソ、2回目でバホナソ(横の方から刺す事)で倒した。しかし、満場の拍手を受けてブエルタになった。

 3頭目、バウティスタ。ピカを刺してから牛の動きが読めなくなってきた。バンデリジェーロもバンデリージャを撃ちずらそうにしていた。この牛はファエナになりそうにない。やはりパセが出来ずに直ぐに剣刺しになった。バホナソ気味に剣が刺さったが、20cm位背中から出ている。これは牛が悪かったのでどうしようもなかった。アルルでプエルタ・グランデをした良い部分は観ることは出来なかった。

 4頭目、バレラ。カポーテはチクエリーナ、裏側のパセ、の連続。ガリバイも同じパセをした。この時牛は左前足をおかしくした。走れるが止まるときに問題がある。左前の球節を脱臼しそうだ。そうなったら終わり。右手のムレタのパセ、背中の方を通すパセ、右側からパセ・デ・ペチョと連続していたら左前球節を脱臼した。左前を振ると脱臼が治った。こんな事もあるのかとビックリする。走っているときは大丈夫だが止まるときに脚に負担がかかる。こんなになってまで牛の闘争心は萎えることはなかった。球節を痛めなかったらどんな凄いファエナが観られたか分からないだろう。良い牛だった。

 脚が悪いのにわざわざ場所を移動している。何を考えているのか分からない。出来るだけ脚に負担がかからないように細心の注意をするべきなのに自分の事しか考えてない。パセが繋がるからパソドブレが鳴った。クルサードをしているが誘うときに脇が開いている。左右の手で誘うとき脇が開く。早く牛を楽にしてあげればいいのに、下らないパセを繋ぐ。彼は根本的に牛を知らない。致命的だ。

 5頭目、ガリバイ。今度は牛が悪かった。

 6頭目、バウティスタ。牛が悪くパセが出来ない。顔の前でムレタを左右に振って牛を疲れさせてから剣を刺す。今日彼は何も出来なかった。


 期待した、ファン・バウティスタは牛に恵まれず良いところなし。ブエルタしたメキシコ人闘牛士イグナシオ・ガリバイもそんなに良い闘牛士とは思えなかった。セビージャ人アントニオ・バレラに至っては、首を傾げてしまった。

 そういえば、4月1日に日本で闘牛をやったときに窓口になった、ラウル・ガリンド(闘牛士)が、ソンブラのカジェホンで闘牛を観ていた。また、ソンブラではフランス闘牛界のドン的存在の、シモン・カサスがファン・バウティスタを見に来ていた。


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