2000年4月23日、セビージャの結果

モランテ、難しい牛でグラン・ファエナ。
しかし、剣刺しで耳2枚を失う。

por 斎藤祐司

 本当は、マラガでホセリートとホセ・トマスを見る予定だったが、2人とも出場しないので行かないでセビージャで闘牛を見ることにした。快晴の闘牛場で、ソル、グラダにて下山敦弘さんと観戦す。

 クーロ・ロメロは、初めの牛で良いベロニカを見せた。牛を右側から左にパセするとき、カポーテを出来るだけ開かない様に振っていた。アレナの中央でやったメディア・ベロニカも観客を沸かせた。が、そこまでだった。ピカドールが乗った馬に当たったら膝から倒れてた。それから牛が動かなくなってファエナを続けることが出来なかった。パセの途中で動くのをやめるからだ。なお牛は、エレナ王女に捧げられた。

 クーロの2頭目はまるでダメな牛だった。どうしろというのだろう。牛の顔の前で左右にムレタを振って疲れさせてから剣刺しをした。観客は口笛を吹いていたが。仕方がないことと思う。悪いのは剣刺しで、もっと悪いのが牛だった。

 エンリケ・ポンセの初めの牛は、3mの所で誘わないと来なかった。段々近づいていってムレタが鼻面まで近づければ動かなかったし、それでいてパセしていると体に向かって来る。牛が左右に頭を動かしている状態での剣刺しだった。牛は、エレナ王女に捧げられた。

 モランテ・デ・ラ・プエブラは、ポンセの時のキーテも良かった。が、この日最後の牛でグラン・ファエナを見せる。誘っても来ない牛で、なかなか来ない、それでいて、突然走り出したりする牛だった。ピカが入ると余計に変な動きをしだした。下山さんが言う、 menos capote の牛(カポーテをあまり多くやらない方が良い牛)。観客に牛を捧げて始めたファエナで体の右側を通すとき2回コヒーダされそうになった。つまり、ナトゥラルの時、危ない牛だった。

 右手のダイナミックなパセで観客を興奮させ、オーレを叫ばせた。右手で誘い、パセの後右足を一歩引いてパセをし、大きくリズムの良いパセだった。モランテは自分の実力と才能を充分観客に見せつけることが出来た。タダ、剣刺しだけがピンチャソ2回、アトゥラベサダ(牛の右側から左側に剣が刺さる事)に決まった。場内一周だった。剣さえ決まっていれば耳2舞いきっていただろう。それくらい良いファエナだった。


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