99年5月21日、ラス・ベンタス(マドリード)の結果

ファン・モラ良いファエナ2回。観客を沸かせる。

por 斎藤祐司

 

 牛、バルデフレスノ。闘牛士、ファン・モラ、フィニート・デ・コルドバ、マヌエル・アマドール=コンフィルマシオン・デ・アルテルナティーバ。

 雲はあったが日が射していた。日があたっているときは暑い。

 コンフィルマシオン・デ・アルテルナティーバのマヌエル・アマドールは、何しに出てきたのだろう。一つも良いところを見せられなかった。牛は確かに悪い。でも良い牛なんかあまり出てこないのだからそんなことばかりは言ってられない。カポーテも不発。ムレタでは、足が流れ腰が引け、手の高いパセを続けていた。パセ・デ・ペチョは脇が開いているし誉めるところがなくて困る。剣刺しも2回共バホナソ。おまけに牛の前脚を揃えないで刺しに行っていた。止めた方が良いんじゃないかと思う。

 ファン・モラは、カポーテからムレタまで観客を引きつけた。今日の主役はファン・モラ。時々クルサード不足だったが、野次られたり、口笛が吹かれると思い出したようにクルサードして牛を誘っていた。右手の時は、足を大きく開いてゆっくりとしたパセを繋いで「オーレ」を言わせた。ナトゥラルでは、手の低いパセをして、牛の前で見栄を切った。

 牛の角の間に体を入れて観客を見て、「エスタ・ビエン?」 と聞くと、観客は、「シー」 と答えた。おかしくなって笑っていた。闘牛士はちゃんと知っているのだ。クルサードしなきゃここでは認めて貰えないことを。とても印象的なシーンだった。

 彼自身の2頭目の牛は難しかった。パセの後に、直ぐに振り向いてくるので角が体の側にあって危なかった。だからコヒーダされた。それでもまた牛に近づいてクルサードしてパセを繋いでいた。右手で足を大きく開いてゆっくりとしたパセを繋いで「オーレ」を観客に言わせた。ただ、2頭共剣の刺し方が悪かった。初めがメディアで刺さり、次がバホナソだった。

 フィニート・デ・コルドバは自身の2頭目の牛で見せ場を作った。パセ・デ・ペチョは脇が開いているが、形の良い右手のパセを繋いで「オーレ」を言わせた。クルサードして体の近くギリギリに牛を通していた。それでも今ひとつ盛り上がりに欠けた。剣はバホナソだったりていた。一応を見せ場は少しだけだが作った。しかし、昔のような輝きはない。

 今日は、俺の席からは、レアル・マドリードのスーケルが彼女と一緒にいていた。6頭目の牛が交換にになって、ピカドールが登場したあたりで2人で帰っていった。彼等が立ち上がると最後まで観るように催促する声が上がった。でも彼等は今TVに良く出ていて、みんなが帰るときに一緒に帰ったら大変なことになるから早く帰ったのだろう。よっぽど写真を撮らせて下さいと、言いに行こうかと思った。惜しいことをした。


http://www2u.biglobe.ne.jp/~tougyuu/以下のHPの著作権は、斎藤祐司のものです。勝手に転載、または使用することを禁止する。


ホームに戻る