ホセリート!ホセリート!ホセリート!

2003年5月21日マドリード、ラス・ベンタス闘牛場(第1級闘牛場)の結果。

 晴れているが風が強いラス・ベンタス闘牛場。4頭目、5頭目、ビクトリアーノ・デル・リオ(コルテス)牧場。1頭目から3頭目、6頭目コンチャとシエラソ牧場。ソブレロ、エル・トレオン牧場。闘牛士、ホセリート、マヌエル・カバジェーロ、怪我のエウヘニオ・デ・モラに替わりイバン・ガルシア。満員。テンディド6でYさん、Tさんと観戦す。

 今日のホセリートにはドキドキした。今日は始めからやる気が違っていた。そんなに良い牛でもないのに何とか良いカポーテ技を牛から引き出そうとしていた。何と始めの牛を観客に捧げた。驚いたが、ホセリートのやる気を感じた。そして良いファエナをした。右手の長いパセを腹を出して腰を反って繋ぐと「オーレ」がなった。右手のリガール、ナトゥラルも手の低い長いパセを繋いだ。パセ・デ・ペチョの後の牛との距離の取り方も良かった。だから牛は動いた。パセ・デ・フローレンス、モリネーテやアドルノも織り交ぜての良いファエナだった。ナトゥラルも綺麗だった。剣を代えてから、アジュダード・ポル・バッホを繋ぎトゥリンチェラ。剣が決まれは耳1枚。しかし、剣はバホナッソに決まってホセリートは失敗したと言う風に悔しがった。

 4頭目の牛は悪く牛が交換。ソブレロは、エル・トレオン牧場。良い牛ではなかった。足が弱く手の低いパセをすると膝を着く牛だった。それをつぶさないように丁寧にパセを繋いだ。始めの牛のファエナに比べれば落ちた。それでも良い仕事だった。剣がちゃんと決まってシン・プンティージャで牛が口から血を吐きながら崩れ落ちると闘牛場は白いハンカチに包まれた。口笛が鳴る。耳を催促する観客の要求はプレシデンテに受け入れられなかった。僕はファンだから耳をやっても良いような気がしたが、冷静に観れば耳には少し足りなかったと思った。場内1周はしなかった。ホセリートらしい。テンディド7が口笛を吹いていた。ホセリートはそれをちらっと観て判っているよという風にして挨拶だけをして喝采を浴びた。

 マヌエル・カバジェーロはちゃんとやっていたが牛が悪かった。あれ以上望むのは無理だろう。

 イバン・ガルシアにはガッカリした。牛を判っていない。最後の牛は距離を取って誘えば遠くから呼べる牛だった。ムレタの始めのパセの時にそれが判ったが、彼はソンブラからソルに牛を移動するやり方も不味かったし、移動してからのファエナも全く判っていなかった。あれじゃ、16日の耳は良い牛の時か、自分が判る牛の時だけしか良いファエナが出来ないと言われても仕方がない。多くの闘牛士はそうなのだが、セラフィン・マリンとの比較の対象になる闘牛士ではない。

 今日のホセリートはどうなんだろうと、観る前は心配だった。始める前に松田君に会ったら、「今日はホセリートを見に来ました。全然良くないけど」と言っていた。この前のことを言っているんだろう。それでもファンは観に来る分けよ。それがファンってヤツよ。今日のホセリートは良かった。ドキドキした。こういうホセリートなら安心だ。またベンタスでは4日に会える。その前に30日アランフェスで観るけどね僕は。


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