por 斎藤祐司
朝から小雨が降り続くマドリード。肌寒い中で始まった。アレナは雨で濡れて良いコンディションではなかった。ハビエル・ペレス・タベルネロ牧場。フラスクエロ、ホセ・ルイス・ボテ、ダビ・ルギジャーノ。今日もノー・アイ・ビジェテ。
フラスクエロの１頭目は、右手、左手どちらのパセでも闘牛士の方を探りに来る危ない牛だった。何度もパセを試みたがダメだった。牛の前でムレタを左右に振ると首を振って倒れてしまった。剣は、スエルテ・ナトゥラルでバホナッソ。２頭目では、トリル前で、ラルガ・カンビアールをやってやる気を見せた。だが、カポーテに前で止まって突っ込んでこない牛だった。ムレタでは膝を折るパセから始め中央へ。右手の低い長いパセを２回、トゥリンチェラをすると、オーレがなり観客が沸いた。ナトゥラルではクルサードしてパセを繋いだが、パセの途中で牛が止まってしまう。頑張ったがそこまでだった。剣は、スエルテ・ナトゥラルで前の方にバホナッソで決まる。
ホセ・ルイス・ボテは１頭目での方が良かった。ただ牛は悪い。ぬかるんだアレナに足を取られて転んでいた。ムレタでは手の低い長いナトゥラルを決めてオーレを言わせた。右手でも手の低い長い羽ｓを何度か繋いだが、直ぐに牛は動かなくなった。剣は、スエルテ・コントラリアで良いところにしっかり決まった。
２頭目は、角が上を向いて首の瘤が大きい牛だった。パセ前にコッホだった。ピカが入り馬から離されると倒れていまい牛が交換になる。 代わった牛はベロニカを繋ぐとコッホになった。ピカが入ると脚はもっと悪くなった。中央で、右手のパセから始めた。牛の動きが悪くパセにならない。ナトゥラルではムレタをはらわれてしまう。剣は、スエルテ・ナトゥラルでバホナッソ。
今日の主役は、ダビ・ルギジャーノだった。１頭目が凄く良かった。シンプルなベロニカを繋ぎオーレがなる。ラルガ・コルドベサ、ファロール気味のラルガを決めると観客は興奮した。ピカは右側に入った。牛はそれほど良いと思わなかったがムレタでも良い動きをした。ブリンディスは観客に捧げられた。ムレタは、アレナの中央で牛を誘って大きな手の低いパセを繋ぐとオーレがなりだした。パセ・デ・ペチョもダイナミックだった。
手の低い長いナトゥラルが決まり出すとオーレはより一層大きくなった。パセ・デ・ペチョも良かった。手の低い長いパセを続けて観客を沸かせ続けた。剣を代え、膝を折った綺麗なパセを繋ぎスエルテ・コントラリアのレシビエンドで決めた。バホナッソだった。が、牛は直ぐ倒れた。良いファエナだった。ダビは１６回目のラス・ベンタス闘牛場で初めて耳を切った。嬉しそうに場内を廻っていた。ようやく取った耳だ。才能を疑わずに続けていて良かったね。いつもやる気の空回りだったけど１３日のバジャドリードの闘牛の良いところをそのまま出来たのが良かった。
２頭目は角が上を向いた牛だった。カポーテは膝を折ったベロニカで始めた。そのパセで脚を悪くした。ピカは左に入った。ムレタはまた中央から始めた。右手の大きなパセでオーレがなった。手の低いパセを繋ぐ。が、牛が探し出した。体の方に向かってくる牛を丁寧にパセ繋いだ。大事に大事にパセを積み重ねた。剣は、バホナッソだった。観客の白いハンカチが闘牛場を埋め尽くした。プレシデンテは観客に要求に応えなかった。口笛とブーイングが闘牛場になった。
ダビ・ルギジャーノは、観客の喝采に応えて場内一周を始めた。笑顔だった。が、プエルタ・グランデを逃した直後でもあった。ただ最後の牛では耳じゃないと思う。これが僕の意見だ。
今日は良い闘牛だった。天候に恵まれてはいなかったが３人とも良くやった。１番がダビ・ルギジャーノ。ようやく才能を開花させた。遅すぎたくらいだ。アルテルナティーバしてから１０年目の耳だった。レシビエンドも良かった。剣が決まらず耳が取れないことがあったがようやく掴んだ耳だ。今日は感激に浸ってくれ。プエルタ・グランデは秋か、来年に持ち越しだ。こういう闘牛をやればプエルタ・グランデも夢じゃない。
フラスクエロは、牛が良くなかったがやる気を見せた。ボテも牛が良くなかったが途中までは耳が取れるかなと思ったが牛が動かなくなった。来年こそプエルタ・グランデが見たい。マドリードのファンは君のことを待っているんだ。
今日の闘牛の結果。
ビスタ・アレグレ。クーロ・バスケス、−、−。ホセリート、耳１枚と、耳２枚。プエルタ・グランデ。ホセ・トマス、耳２枚とグラン・オバシオン。プエルタ・グランデ。 サラゴサ。クーロ・ロメロ、−、ピトス。エンリケ・ポンセ、−、ピトス。ファン・バウティスタ、オバシオン、耳１枚。
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