あーあっ。それは耳切れるでしょうウセダ・レアル。

2005年5月20日マドリード、ラス・ベンタス(第1級)闘牛場の結果。

 2005年サン・イシドロ第10日目。快晴。今年1番暑いと感じた。日陰になってからの風が心地よかった。時々風が吹いてやりにくい場面があった。バルデフレスノ牧場(1頭目、2頭目、4頭目、6頭目)、エルマノス・フライレ・マサス牧場(3頭目、5頭目)の牛(Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、アタナシオ・フェルナンデス牧場、リサルド・サンチェス牧場(リサルド・サンチェス牧場))。闘牛士、ウセダ・レアル、ホセ・マリア・マンサナレス、エドゥアルド・ガジョ。プレシデンテ、マヌエル・ムニョス・インファンテ。今年4回目のノー・アイ・ビジェテ。ソルのテンディド5バッホにて、Tさん、Yさんと一緒に観戦する。19時開始、多分21時頃終了。

 ウセダ・レアルは、どうしたんだろう?1頭目の牛で耳1枚が切れたはずなのに、それが出来なかった。牛が良くパセが繋がる。でも、この牛から耳を切るんだという工夫も足りなし、気迫がない。

 ホセ・マリア・マンサナレスは、口笛や罵声を浴びた。パセが繋がるがつまらないからだ。良いところをあえて書けば、パセの時に牛の角を最後まで見ている。だから、危険なときにはそれを回避することが出来る。落ち着きがある。冷静だ。でも、闘牛がつまらない。特徴がないからだ。こう言うところは親父に似ている。

 エドゥアルド・ガジョは、去年のサン・イシドロで、見習い闘牛で耳2枚切ってプエルタ・グランデした。その後、闘牛士に昇格して今年のサン・イシドロを迎えたが、どうも良くない。やる気や勇気を示してはいるが、闘牛の質は決して良い物ではない。牛から良いパセを引き出そうという努力も工夫も足りない。経験の少ない若い闘牛士だが、彼の長いパセが出ないのだ。それを牛から引き出せない。牛を観る目、牛を扱う技術はつたないと言わざるを得ない。

 それでも、自分の特徴を観客にアピールすることが出来ているのであれば、印象に残るが、それが弱いのだ。牛を知らなくて、牛の前に立ってただ勇気を示しているようにしか見えないのだ。若牛と牛は年が違う、体も大きいだけの違いではないのだ。馬でもそうだが、3歳と4歳は全然違うのだ。その4歳の大人の牛を扱いは難しい。彼には未だそういう物が判っていないのだ。

 3人の闘牛士は空振りだった。マンサナレスがダメなのは判っていたが、ウセダ・レアルは、今の自分の置かれた状況に満足しているのか、もっと上に上がっていこうという気がないような闘牛だった。耳を取ろうという気迫がないから、耳を取れる牛が出てきても、必死さがない。命賭けでない。こんな事やってたら直ぐに落ちていくのに・・・。

 エドゥアルド・ガジョは、命賭けで闘牛をやっているが、技術が足りない。もっと必死で牛を観る目、牛を扱う技術を磨いていかないと忘れられてしまうだろう。

 Mさんが言っていたが、今年は興行主が変わって、牛がつぶれない。多分、目利きが良いのだろうと言っていた。確かに今年の牛はつぶれる牛が少なくなった。セビージャのフェリア・デ・アブリルで感じた、今年はコリーダ・ドゥーラの牛は良いが、ファン・ペドロ・ドメクやハンディージャなどのフィグラがやる牧場は良くないと感じていたが、これは撤回しないといけないかも知れない。サン・イシドロの牛は去年一昨年に比べて良い牛が出ている。


http://www2u.biglobe.ne.jp/~tougyuu/以下のHPの著作権は、斎藤祐司のものです。勝手に転載、または使用することを禁止する。


ホームに戻る  2005年闘牛