牛が悪い!最後の牛で、イスマエル・ロペスが観客を少し沸かせた。

2005年5月1日マドリード、ラス・ベンタス(第1級)闘牛場の結果。

 曇り時々晴れ。日が沈んだら風が肌寒かった。上着が必要だ。マリア・ルイサ・ドミンゲス牧場の牛(Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、アトゥゴニオ・ガルシア・ペドラハス牧場)。闘牛士、イバン・ファンディーニョ、カロ・ヒル、イスマエル・ロペス。日曜日なので観客は半分弱と増えた。ソルのアンダナーダにて、観戦する。開始18時半。終了は記録せず。

 事情により、19時過ぎに行ったので2頭目のファエナはTVで観れたが、3頭目からの観戦記とする。

 イバン・ファンディーニョは、やる気がある。それはキーテを観ても判る。3頭目のイスマエル・ロペスの牛で見せたガオネラは悪くなかった。それとダメな牛でも何とかパセを繋ごうとしている姿は好印象。剣刺しも良いところを狙っているのは判る。しかし、ことごとく骨に当たってピンチャッソ。それで、カイーダとかに逃げないのは良いが、結局刺せずにデスカベジョじゃなぁ。

 カロ・ヒルは、今年も空振り。期待しているだけに何も出来ないときは本当にダメだ。良いときと悪いときがはっきりしている闘牛士のようだ。2年前のプエルタ・グランデは何だったんだろう。

 イスマエル・ロペスは、最後の牛で見せ場を作った。ベロニカを繋ぐと左角が短く見えた。チクエリナは全てその左角を通すパセだった。何故だと思った。イバン・ファンディーニョのキーテもチクエリナからそのままの姿勢で裏を通すメディア・ファロールを2回繰り返したがこれも左角を通すパセだった。パセの後の返りが早く危なかった。やっぱり、左角が短いと思った。ピカは左後ろに入った。牛は観客に捧げられた。エスタドゥアリオ3回からナトゥラル、パセ・デ・ペチョで、「オーレ」が鳴り拍手が沸いた。良いファエナの始まりだった。

 アレナ中で牛を遠目から呼んでデレチャッソを3回繋ぎパセ・デ・ペチョ。拍手が沸く。離れデレチャッソの2回目にコヒーダされた。刺されていなかった。また、デレチャッソ2回。ブスカンドする。危ないがそれでもデレチャッソを繋ぎパセ・デ・ペチョ。離れナトゥラル2回目にムレタを牛にはらわれて取られてしまう。それからナトゥラル3回でパセ・デ・ペチョ。こっちも牛がブスカンドする。だから、またデレチャッソに代える。牛がもう動かない。剣を代えて、アジュダード・ポル・アルトを繋ぎナトゥラルからパセ・デ・ペチョ。パセが短く危ない。スエルテ・ナトゥラルでレシビエンドでピンチャッソ。もう1度ピンチャッソ。その後、メディアでバホナッソに決まる。剣が1回でちゃんと刺さっていたら耳が出ていたかも知れないが、それはコヒーダされた同情からだろう。

 今日のマリア・ルイサ・ドミンゲス牧場の若牛は、どれも脚の弱い牛が多かった。最後の牛で、イスマエル・ロペスが見せ場を作ったが、他はあまり良いところがなかった。未だ今年はラス・ベンタスで良い牛を観ていない。毎年そうだが良い牛が出てこないのかと思う。


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