観客の耳要求をプレシデンテがけってファンディ場内1周。座布団の雨が降った。

2003年5月1日セビージャ、レアル・マエストランサ闘牛場(第1級闘牛場)の結果。

 曇り空のレアル・マエストランサ闘牛場。エンリケ・マルティン・アランス牧場。牧場はマルティン・アランスとなっていたが、実際には1頭だけ。3頭がホセリート、後2頭がコンデ・デ・マサ。闘牛士、フィニート・デ・コルドバ、マヌエル・カバジェーロ、エル・ファンディ。ノー・アイ・ビジェテ。ソルのグラダにて観戦す。

 はっきり言って牛は最低だった。フィニートはほとんど何も出来なかった。やりようがなかった。

 カバジェーロは、始めの牛で良いカポーテをしてムレタでもゆっくりとした長いパセを繋いで観客を沸かせた。牛にもう少し持久力があればもっと良いファエナになっていただろう。5頭目のホセリート牛はダメだった。

 ファンディは、始めの牛<ホセリートの牛>で、見事なバンデリージャを見せて観客を総立ちにさせた。1回目は右後ろに下がりながら、2回目は反対に左後ろに下がりながら角の間できっちりと打った。驚きの喝采がなる。3回目はビオリンを決めて、総立ちの観客から喝采を浴びた。これほど完璧なバンデリージャ打ちを見せたのに、ファエナになると牛は動かなかった。

 最後の牛でも、ラルガ・カンビアールからはじめ、良いバンデリージャを見せた。左に回りながら角の間で打つと、オーレの掛け声がなった。牛を誘い左今回りながら牛とタブラの間で打って牛の回りを走り回ると立ち上がって喝采を浴びた。そしてまた、ビオリン。総立ちの観客から喝采が鳴り止まない。

 ファエナは、丁寧にクルサードしてゆっくりしたパセを繋いだ。今ひとつ盛り上がり足りないファエナだったが剣を1発で決めて牛は直ぐに倒れた。観客は耳を要求したがプレシデンテは耳を出さなかった。怒った観客は座布団を投げて抗議した。剣は正直に言えばカイーダだった。あれが良い剣なら耳だっただろう。が、心情的には、耳をやっても良かったように思う。場内1周を笑顔でするファンディ。明日のベンタスに繋がるような出来だったような気がする。期待を持って見守ろうじゃないか。

(アダプターを日本に忘れてきた為に自分のパソコンが使用できずに、掲示板に取りあえず書いたものに手を加えずにここに残すことにする。だから、短いコメントが多い。)


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