良い牛が出ているのにみんな同じ距離で闘牛をやっている。

2002年5月1日マドリード、ラス・ベンタス闘牛場(第1級闘牛場)の結果。

 快晴だが強風が吹くのマドリード、ラス・ベンタス闘牛場。若牛、ガルシグランデ。見習い闘牛士、ハロチョ、レアンドロ・マルコス、アンドレス・パラシオス。テンディドが9割の入り、全体で約8割の入り。

 ハロチョって一体何がやりたいわけ。1頭目の牛は良い牛だった。遠くから呼んで来る牛なのに動かし方を知らない。ムレタは牛の角にはらわれるし折角の牛が台無し。強風の中でやりにくいのは判るけど結局何も出来ずに終わった。2頭目のムレタの時に、ナトゥラルでコヒーダ。足を刺された様に見えたけど、顔面は血で真っ赤。牛の返り血だろうけど、コヒーダの時牛の上に乗ったときに背中に刺さっているバンデリージャが顔に刺さったのかも知れない。彼はアルテルナティーバは出来ないだろう。

 期待していた、去年のNO1見習い闘牛士、レアンドロ・マルコスもダメだった。手の低い長い美しい形のパセはあるが、クルサードが足りないのと、始めから最後まで同じ距離で牛を誘っている。パセ・デ・ペチョをした後、何故もっと牛から離れていかないのだろう。始めの牛で観客は弱い耳要求をしたが、場内1周にもならない内容の薄いものだった。彼は田舎の闘牛では活躍できるだろう。アルテルナティーバもするだろうが、セサル・ヒメネスに比べて全ての面で能力不足。距離を取ることを勉強すれば闘牛が変わるだろう。

 アンドレス・パラシオスは、何しに出てきたのだろう。パセがパセにならない。クルサードしないでリガールして口笛を吹かれる。クルサードしても、牛を動かせない。始めの牛の剣刺しは良かったが2頭目はメディア。ほとんど観るべきものがなかった。

 今日出た見習い闘牛士たちは全員が牛を誘うときに同じ距離で誘っている。あれじゃ牛は動かなくなる。学校ではパセの形しか教えないのだろうか。そういうことが出来ていないと一流闘牛士にはなれないのだ。勿論それ以前の問題としてパセが出来ないのもいたけど。これじゃ牛が可哀想だ。勿体ない。

 5頭目が終わると、観客が帰りだした。レアル・マドリードとバルセロナの試合があるからだ。後半に入っているが1−0でレアルがラウルの素晴らしいゴールで勝っている。


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