ホセ・トマス、プエルタ・グランデ。モランテ、コヒーダ。

2001年5月19日ヘレス(第2級闘牛場)

 快晴のヘレス・デ・ラ・フロンテーラの闘牛場。ノー・アイ・ビジェテ。切符は余分に持っていた一般人からちょっと割り増しで買う。去年まではこんな事なかったのになぁ。驚きだ。アンダルシアの闘牛士が2人と、セビージャでプエルタ・デル・プリンシペをやったホセ・トマスという組み合わせだからだろうか。

 ホアキン・ヌニョス牧場。闘牛士、フィニート・デ・コルドバ、ホセ・トマス、モランテ・デ・ラ・プエブラ。

 フィニートは、1頭目で耳をなくした。突っ込んでくる牛だった。ベロニカからメディア・ベロニカで前脚がコッホなる。「オーレ」がなる。パセの時に首を横に振る牛。でもベロニカの時にカポーテを開きすぎている。美しいのが好きな人はそれでも良いだろうけどちょっとなぁ。ムレタでは、右手を繋ぎパセ・デ・ペチョ。クルサード不足。ナトゥラルでもそう。でも、牛を動かしているので「オーレ」はなる。トゥリンチェラが決まると喝采が沸く。悪くはないが。剣はピンチャソ2回。カイーダ。耳が消えたのは自分のせいです。

 ホセ・トマスは昨日のラス・ベンタスより良かった。地方の闘牛場でも手を抜かない。1頭目もまあまあだった。剣がピンチャッソ1回。でバホナッソ。デスカベジョが決まっていれば耳が出ただろう。が、7回じゃどうしようもない。

 昨日と違って、カポーテも良い。2頭目では、ベロニカからメディア・ベロニカ、ラルガ。ピカは遠くから牛が走っていって左に入った。キーテは、ガオネラを繋ぎラルガで仕上げた。「オーレ」がなり喝采。ムレタはクルサードをせずに始めた。ナトゥラルを繋ぎ手を代えてパセを繋ぐと「オーレ」の声は大きくなった。右手を繋ぎパセ・デ・ペチョ。右手を繋ぎパセ・デ・ペチョ。ナトゥラルを繋ぎパセ・デ・ペチョ。ナトゥラルを繋ぎパセ・デ・ペチョ。徐々にクルサードしていきパセ・デ・ペチョでパセが切れるたびに喝采がなる。立ち上がっている人も結構いる。

 「オーレ」はなっている。ナトゥラルで体に近くを通し左手で後ろからシルクラールを通す。剣を代え、マノレティーナを繋ぐと「オーレ」が連呼される。牛の前で見栄をきっると立ち上がって喝采を送る。剣は、スエルテ・コントラリアでカイーダだった。が、耳2枚。まぁ、ファエナが良かったから良いでしょうここなら。

 モランテの1頭目はブスカンドする危ない牛だった。左右のパセを試みたがどうしようもなかったので直ぐに殺した。口笛が鳴る。もう少し何とかなったかも知れないがこれはこれで良いと思う。最後の牛は、非常に良い出方をした。走り抜ける勢いが良い牛だった。気合いの入った綺麗なベロニカが繋がると大声を出して「オーレ」がなった。目ディ・ベロニカを決まると立ち上がって喝采を送った。こういうモランテは本当に美しい。まさに、頭の先から爪先まで美しい。

 キーテも飾らずにベロニカを繋ぎメディア・ベロニカで締めた。「オーレ」がなり喝采がなった。ムレタになると、ナトゥラルから始めた。手に引く長いパセが決まると観客はそのパセに酔いしれるように「オーレ」を叫んだ。トゥリンチェラが美しい。中に牛を持っていってナトゥラルを繋ぐと牛がブスカンドしてきた。右手にムレタを持ち代えて手の低い長いパセを繋ぐ。これも美しい。「オーレ」が続く。またナトゥラルをするとまたブスカンドしてきた。

 危ないと思っていたらコヒーダされた。太股に血が着いていたが服が破けていないので足は刺されていないようだった。抱きかかえられて医務室に行くのかと思っていたら1人で立ってまた牛に向かった。剣を代えていた。スエルテ・ナトゥラルに構えると右の耳の辺りに血が流れていた。剣が決まれば耳は出ていただろうがピンチャッソ3回だった。大したことはない思う。牛が見えてないのだろうか。実はノートを書いていてコヒーダの瞬間を見ていないので何とも言えないが大体俺がノート取っているときにコヒーダされること自体、牛との間の取り方に問題があるのかも知れない。経験上あんなところであのタイミングで誘う方がおかしいもの。

 なんだかんだと言いながら、ホセ・トマスを観にヘレスまで来た。昨日の今日なのでどうかと思ったが手抜きせずに闘牛をしている。安心したが、どうしても去年と比べてしまうと正直に言えば落ちる。何だか体の中に訳の分からない気持ちにならないもの。


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