99年4月19日、セビージャの速報

モランテ、耳3枚でプエルタ・デ・プリンシペ!

por 斎藤祐司

 牛、グアダレスタ。闘牛士、リトリ、エル・コルドベス、モランテ・デ・ラ・プエブラ。

 

 マドリードから、TV観戦。1チャンネルで、闘牛をやってるよ、と、泊まってる所の子供が言っていたが全然信用してなかった。だから見たのは20時半頃から。完全な速報ではない。何故なら5頭目、6頭目しか見てないからだ。

 しかし、重要な事があったので速報にした。

 今年のセビージャのフェリアで初めての、プエルタ・デ・プリンシペがあったからだ。それは、去年のセビージャのトゥリンファドール、モランテ・デ・ラ・プエブラが耳2枚、耳1枚、を取って自身初めてのプエルタ・デ・プリンシペをした。門を肩車で通り抜けたモランテは、グアダルキビール川沿いの通りを自動車に乗らずに肩車のままホテルに向かった。セビージャは今フェリア。自動車が通る車道を天下御免の肩車。堂々とセビージャの観客に手を振って答え、ゆっくりと自動車がいない車道を帰っていった。

 モランテは去年と違って堂々と落ち着いて闘牛をやっている。パセの形は素晴らしくなった。顔つきさえ男らしくなった。彼もまた、これから頂点に向かって上り詰めようとしている野心と技術を手にして、マドリードに乗り込もうとしている。チャンスはそうそうない。今年マドリードのサン・イシドロで成功したら一躍スターになる。剣刺しも良くなった様なので今後のモランテから目が離せなくなってきた。

 リトリは、見てないので判らない。エル・コルドベスは5頭目で2頭牛を替えた。彼は、初めの牛でコヒーダされたようで白い布きれで闘牛服を巻いていた。牛が悪かったがパセの形は、磨きが掛かったようだ。

 追記。リトリは全然駄目だったそうだ。前のような膝を着いたモリネーテの連続から、牛に背中を見せて見栄を切る、ベィーリ・スペシャル・ワン・パターンは影を潜め、真面目にパセを繋ごうとしている。これじゃリトリじゃない。リトリはそれをやらなかったら何も出来ない闘牛士なのだから・・・。やっぱり、リトリはリトリであって欲しい。今にして思えば昔のリトリの方が良いよなぁ。と、つくづく思うのだ。

 もう一つ。モランテの1頭目、耳2枚は牛が悪かったが上手く牛を操ってパセを繋いだと言うこと。これ見物。


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