グアルディオラの牛が悪すぎ!

2002年4月19日セビージャ(第1級闘牛場)

 快晴のレアル・マエストランサ闘牛場。ほぼ満員。グアルディオラ・ファントニ牧場。闘牛士、エル・コルドベス、ファン・ホセ・パディージャ、エル・カリファ。

 今日も牛が悪かった。エル・コルドベスは、牛が悪いのもあるがあれじゃどうしようもない。クルサードをしないで闘牛をする。だから、2頭の牛にコヒーダされた。観客はコヒーダで同情的になっているが、根本的にちゃんと闘牛をしようとしないエル・コルドベスが悪い。同情に値しないコヒーダだ。怪我はコルナーダ(刺し傷)があったのではない。角で体を持ち上げられて、落ちてから服を破かれ腹を角で引っ掻かれた軽いものだ。ああいう扱いの難しい牛は彼には出来ないだろう。観ていて意味不明。意図のちっとも分からない闘牛。何をやりたかったのだろう?彼が観客を沸かせたのはコヒーダの時だけ。

 パディージャが相手にした牛も非道いものだった。あの牛でどうしろと言うのだろう。ムレタでパセをすると動かなくなる。力のない牛。クルサードはしているし、誘い方も間違っていない。非常に難しい牛に2頭とも当たった。でも、バンデリージャで観客を沸かせるのは良いが3回のバンデリージャの2頭分、合計6回のバンデリージャ打ちが全て左回りに行ったのには納得がいかなかった。1番沸かせたところは、始めの牛のカポーテでベルモンティーナ(ファン・ベルモンテが始めた、メディア・ベロニカをやりながらカポーテを体に巻きつけるパセ)を続けてメディア・ベロニカを決めたときだった。あれはなかなか良かった。

 今日1番良い闘牛をしたのは、エル・カリファだ。始めの牛は今日最悪の牛でどうしようもなかったが、最後の牛で、良いファエナを見せた。右手のパセををするとブスカンドする危ない牛。それでもナトゥラルでは手の低い長いゆっくりとしたパセを繋いで2000年のサン・イシドロを思い出させるようなファエナをした。そのうちナトゥラルでもブスカンドするようになった。右手のパセも手の低い長いパセを繋いだが後半は牛に力が残っていなかった。もうまともなパセが出来る状態ではなかった。剣刺しの時には今度は牛が止まらなくなって、半周以上を歩いた。剣刺しは1回で良いところに刺しデスカベジョ1回。

 今年のセビージャのフェリアは、サン・イシドロ状態。良い牛なんかほとんど出てこない。これでラス・ベンタスなら観客が大騒ぎするのにセビージャの観客はおとなしすぎる。もっと怒るべきだ。金払って見に来ていることに、観客自身が誇りを持つべきだ。何処の牧場もこういう牛しか出さないのは何故なんだ。良い牛の代表、ファンペドロ・ドメクの牛があれじゃ話にも何にもなりゃーしない。


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