99年4月18日、マドリード、ラス・ベンタス闘牛場の速報

por 斎藤祐司

 

 牛、マヌエル・アンヘル・ミジャレス。闘牛士、ホセ・イグナシオ・ラモス、パコ・セルバンテス、ロドルフォ・ヌニェス。

 

 今日は耳は出なかった。何故なら牛が悪かったからだ。ラモスは、1頭目の牛が悪く剣刺しだけで喝采を受け、4頭目では何とアビソ(警告のラッパ)を3回受けた。途中から意地になって刺しに行っていたが、剣が刺さらないまま、アビソ2回を受け、その後も剣は刺さらなかった。

 剣は、焦れば焦るほど刺さらない。最後は何とか牛を殺そうとデスカベジョを出したがそれも叶わずタイムアップ。罰金は僕の記憶が確かならば100万pts。彼は今日の出場料の4倍位の支払いをしなければならなくなった。観客は彼の健闘に拍手を送ったが、カジェホン(アレナと客席の間の通路)の戻って来たラモスは泣き崩れていた。周りの人達は慰めていたが・・・。

 パコ・セルバンテスはカポーテ、ムレタ捌きは普通。パセが雑。観客を引きつけるものが確かに足りない。

 ヌニョスは、なかなか才能を感じさせるパセを繋いだ。特に良いのはパセ・デ・ペチョ。ムレタを振ると牛を内側から内側に通した。エウヘニオ・デ・モラの様なパセ・デ・ペチョだ。パセは良かったが牛は駄目だった。最後の牛の、最後の剣刺しで剣を1発で決めたが、角を右太腿の内側に受けた。かなり痛がって、直ぐに医務室に連れて行かれた。大したことなければ良いが。結構重い傷だと思う。


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