2000年6月15日、ラス・ベンタス(マドリード)の結果

黄色い声のオーレで、エル・フリ耳1枚。

por 斎藤祐司

 快晴の闘牛場。ビクトリアノ・デル・リオ牧場。マヌエル・カバジェーロ、モランテ・デ・ラ・プエブラ、エル・フリ。満員。サン・イシドロと違って、アフィショナードが少なかった。代わって来ていたのは闘牛がよく判らない初心者と女、子供。ソル(tendido7)のバレラにて観戦す。

 マヌエル・カバジェーロは、牛が悪くて良いところを見せられなかった。1頭目は、味のない牛だった。パセはある程度出来るが良いパセにならない。ナトゥラルは手の低いパセをするが長くできない。牛に力がなく体を過ぎた後に動きが悪くなる。途中から動かなくなり剣刺し。スエルテ・ナトゥラルでバホナッソ。

 2頭目は、ベロニカでは止まらない。動き回って足を止めたベロニカが出来ない。パセの後に後ろ脚を痛める。口笛が鳴る。ピカは左に入る。バンデリージャを打たれると痛がっていた。牛が動かずパセが半分しかできない。剣を代え、スエルテ・ナトゥラルで角度が浅くメディアで刺さる。口笛。もう一度スエルテ・コントラリアで角度が浅くメディアで刺さる。口笛。デスカベジョ2回。口笛。

 モランテ・デ・ラ・プエブラは、牛が悪く良いところがなかった。1頭目は、後ろ脚の悪く交換になる。代わった牛は、後ろ右足の内側にコルナーダがありコッホ。牛交換になる。代わった牛も悪かった。闘牛士を探しに来る牛でまともなパセが出来ない。剣を代え、スエルテ・ナトゥラルでバホナッソ。デスカベジョ1回。

 2頭目は、カポーテの前で止まって頭を下げる牛。ベロニカが出来ない。小刻みにカポーテを振って牛を中央へ持っていった。ピカは、瘤の後ろ右に入る。ムレタではパセが半分しかできない。牛が直ぐ振り返るからだ。非常に危ない。それでも何とかパセを繋ごうとしていたが、無理。剣を代え、スエルテ・ナトゥラルで良い場所に刺さったがメディアだった。デスカベジョ3回。激しい口笛。でも、こんな牛でパセなんか出来ない。命がいくつあっても足りない。殺して正解。

 エル・フリは、2頭目で耳1枚取った。1頭目は、良い牛だったがピカドールが牛をダメにした。観客は牛を交換するように要求していたが、ピカドールのせいなので代えなかった。ムレタでは、パセすると直ぐに膝を着いてファエナが出来なかった。直ぐに剣を代えて、凄い剣刺しだった。

 2頭目は、ベロニカを繋ぎ、中央で膝を着きながらのベロニカを繋ぎ、メディア・ベロニカ。牛の左後ろ足に小さなコルナーダがある。チクエリナの連続で馬の前へ。ピカは、左に入る。キーテは、ロペシーナ3回。オーレが鳴り総立ちになる。マヌエルがキーテを始めようとすると口笛が鳴る。分けが分からない口笛。オーレの声で判ったけど、女の声しか聞こえない。恐らくこの口笛も初心者のエル・フリファンのものと思われる。マヌエルのベロニカは実に味のあるものだった。メディア・ベロニカも絶品。しかし、口笛が鳴る。あーあ今日は馬鹿ばっかりが来ているのか。

 バンデリージャはフリが打った。角の外で打っても拍手が鳴る。どうでも良いけどくだらない。本人は喝采を一心に受けて牛を観客に捧げた。ムレタでは、膝を折ったパセから始め、右手を繋ぐと女の声のオーレが鳴った。ナトゥラルの方がクルサードが深くパセも見れるが、右手のパセは味がない。料理で言ったら、塩とオレガノが必要だ。牛が動かなくなり剣を代える。スエルテ・コントラリアでピンチャソ1回。スエルテ・ナトゥラルで決まる。多分バホナッソだな。あのファエナでピンチャソがあって耳1枚が出た。何で?場内一周しているときに下に降りてきた女達はなんだ。おばちゃんから少女まで。そんなにフリの顔が見たいのかな。顔で闘牛やる分けじゃないだろうが!

 今日は牛が悪すぎた。マヌエル・カバジェーロもモランテ・デ・ラ・プエブラも仕方ない。でも、マヌエルがキーテをするときの口笛は何なんだ。黄色い声のオーレで耳1枚取った、「俺が偉い」とエル・フリは思っているのか?今は誰もスペインじゃ悪口言う奴はいないけどハッキリ言っておく。落ちるよきっと。ブームで耳切ってるだけじゃ闘牛ファンにそっぽ向かれる。

 それにしても闘牛士の退場の時に、マヌエルとモランテに対する凄い口笛は何なんだ。ああやってフリを持ち上げたい分けか。非常に気分が悪くなって闘牛場から帰ってきた。今日は、観なきゃ良かったなぁ。黄色い声だけのオーレが鳴る闘牛場には行きたくない。俺これでもさ、アフィショナードな分けよ。


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