99年5月14日、ラス・ベンタス(マドリード)の結果

ゴメス・エスコリアルは、好印象を観客に与えた。

por 斎藤祐司

 牛、アリピオ・ペレス・タベルネロと、ロウルデス・マルティン。闘牛士、ペピン・ヒメネス、ルイス・ミゲル・エンカボ、ゴメス・エスコリアル=トマール・デ・アルテルナティーバ。

 1頭目、ゴメス。牛はゆっくり出てきてカポーテには反応しない。タブラの所に行って角を突き刺したが、あまり向かってこようという気がない。ピカが1回刺さったが、牛が交換になった。

 代わった牛もあまり良くない。ベロニカをするがあまり良いフォームじゃない。ピカは瘤の後ろに入っている。バンデリージャを撃ち終わり、トマール・デ・アルテルナティーバの儀式が始まる。ペピンからゴメスに剣とムレタが渡され、代わりにカポーテを受け取る。拍手が沸く。

 ゴメスはカポーテのフォームは良くなかったがムレタ捌きは良い。白線の内側から牛を誘って右手の良いパセを繋いだ。手も低い。クルサードもちゃんとしているし、手を前に出している。ムレタが角ではらわれた。ナトゥラルで牛を廻す。変なのはクルサードして行くと牛がゴメスの外側を見てクルサードから外れていく。これは目が悪いのだろうか?風が強いのもあって場所を代えようとしている。右手でパセ・デ・ペチョをしたが、左側を通す時に牛が体を狙ってくる。牛の前で左右にムレタを振って剣を代えた。スエルテ・コントラリアで牛を置いた。頭が低い。ピンチャソ。頭が低いので踏み込んで行けない。3回目で決まった。これは良い剣刺しだ。

 2頭目、ペピン。牛はゆっくり出てきたがブルラデラの前でカポーテに合わせて首を振っている。こういう牛はベロニカから苦労する。カポーテに思い切って突っ込んで行かない。やはりそうだ。牛を馬の所に持って行くとき、牛は転んでしまった。ピカは肩の上に入っている。牛が膝を着いた。エンカボがナバラを2回やってラルガ。バンデリージャは角の間で3回刺された。非常に良い撃ち方だった。拍手が起きた。そして、アルテルナティーバの返還の儀式が行われた。

 パセを2回したらまた膝を着いた。良いパセの後、直ぐ膝を着く。ペピンのパセに「オーレ」がなっているが牛は直ぐ膝を着いてしまう。牛は悪いがちゃんと動かしている。手が高い、牛を体の遠くを通している。牛が動かなくなって剣を代えた。スエルテ・コントラリアでピンチャソ。次は良いところに入ったがメディアだ。

 3頭目、エンカボ。牛が出てきた。ちょっと小走りしただけで脚のバランスが悪い。ピカは左肩の後ろに入った。馬が牛に持ち上げられている。馬は倒された。牛を馬から離すようカポーテが振られると離れたがまた膝を着いた。2度目のピカは肩の後ろに入った。これは良くない。離されて牛がまた転んだ。牛交換。

 今度の牛は良いようだ。エンカボは足を止めたベロニカを決めた。ピカは肩の前少し左に入った。風が強いのでカポーテがフワッと上がってバンデリジェーロが危なかった。ピカドールは下手だ。馬から落ちそうになっている。エンカボはバンデリージャを撃たない。エンカボはカポーテで牛を誘って来ないと、左右に動かして牛の首の動きを確認してもう1度誘ってパセした。良く牛を知っている動きだ。

 風が強くてやりにくい。牛も変な動きをする。パセの後、牛が巻き込んで来る。危ない。彼は運動神経が良いので交わしたが危ない牛。牛の前で見栄を切って剣を代えた。剣は1回で決めたが横から入っている。バホナッソ。デスカベジョ3回。

 4頭目、ペピン。牛は良く走るがパセの時に首を横に振る。嫌な癖だ。ピカは瘤に後ろに入っている。バンデリージャは、エル・フォルミダブレが、でかく太った体でダイナミックに撃って観客を沸かせた。牛が悪くて足を止めたパセを出来ない。腰が引けている。クルサードもしない。何もやっていない。ムレタをはらわれる。剣刺しは良いところに決めた。剣だけ良かった。

 5頭目、エンカボ。ラルガ・カンビアールから始める。ピカドールが定位置に着く前に牛が行きピカが入る。肩の後ろ。モノサビオが危なかったが塀を越えた。ピカは肩の上に入った。エンカボは今度もバンデリージャを撃たない。パセをすると巻き込んで来るような牛で危ない。彼は何とかパセをしようとしていたがどうにもならなかった。剣を代えた。スエルテ・コントラリアでピンチャソ。彼はとんでもない所に刺している。ピンチャソを続けて刺せず、デスカベジョ1回。

 6頭目、ゴメス。ゴメスはカポーテを持ってトリルの前まで歩いてきた。これからラルガ・カンビアールをする。2回目は場所を代えてやった。そしてベロニカを繋いだ。ピカは瘤に後ろに刺さっている。離されてから、振り向いて行って肩の後ろに入った。これは悪い刺し方。キーテは珍しいものが見れた。ゴメスとエンカボが2人で並んでカポーテを振って、2人のカポーテの間を牛を通すパセ。4回位した。写真では見たことがあるが生は初めてだ。竿語のピカは左肩の上に入った。それで左前脚がおかしくなった。

 アジュダード・ポル・アルトから初めて、パセ・デ・ペチョ。凄いクルサードをして牛を誘っている。牛は思うように動かない、だが、ナトゥラルの時に、牛の直ぐ前の所に立っているのでホセ・トマスの様だ。やはり分かる人には分かると見えて受けている。ベルナディーナは1回で角に引っかかってナトゥラルに代わった。剣刺しはスエルテ・ナトゥラルで1回で決めた。良いところに刺さっている。

 今日はペピンに1頭目で少し沸いた。でもゴメスの最後は非常に良い印象を観客に与えた。色々やったが、特にホセ・トマス並みのクルサードは命懸けなのが良く分かった。


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