フェルナンド・ロブレニョが血管が切れそうなテンションで命懸けのファエナ、耳1枚!

2003年5月14日マドリード、ラス・ベンタス闘牛場(第1級闘牛場)の結果。

 快晴のラス・ベンタス闘牛場。エル・ベントリジョ牧場。闘牛士、ホセリート、フェルナンド・ロブレニョ、マティアス・テヘラ=コンフィルマシオン・デ・アルテルナティーバ。満員。テンディド6でYさんKさんと観戦す。

 今日はマティアス・テヘラのコンフィルマシオン・デ・アルテルナティーバ。だから、始めの牛と最後の牛で闘牛をした。去年見習い闘牛士年として出場し耳1枚ずつ取ってプエルタ・グランデして最優秀見習い闘牛士になった。今年は正闘牛士として登場。期待したがセビージャの時のように上手くは行かなかった。クルサードが足りないのでパセが繋がっても口笛を吹かれていた。セビージャやアンダルシア、他の闘牛場では牛を動かしていると「オーレ」がなるが、ここマドリードのラス・ベンタス闘牛場ではそうは行かない。カポーテ捌きはまあまあ。ムレタもナトゥラル、トゥリンチェラが良い。1頭目では少ないが耳を要求する人がいたが。

 手の低い長いパセを繋いでいても、牛の角の間に体を入れて(クルサード)牛を誘っていないと、闘牛とは認めないのだ。だから残念ながら良いファエナにはならなかった。

 今日のホセリートは、全然ダメだった。4頭目の牛の時もクルサードをしていなかったので口笛が吹かれ、それにやる気をなくしてむくれて直ぐに剣を代え刺した。物凄い口笛と罵声。終わった後のTVのインタビューには笑顔で答えていた。口笛や罵声の評価を全然気にしていない。フィグラになるとこう言うことを一々気にしていたら身が持たないのも事実。でも、これはある意味でホセリートらしかった。

 フェルナンド・ロブレニョは、今日のトゥリンファドール。一生懸命ひたむきに闘牛をやっている。だから、好感を持たれる。勇気もある。そして技術もある。これが大事だ。5頭目はあまり良い牛ではなかったが、丁寧にクルサードを繰り返しパセを繋いだ。遠くから牛を誘ったり、正面を向いて誘ったり良いパセを繋いだ。トゥリンチェラが綺麗だった。「オーレ」がより大きくなった。パセの後、逃げたりしてやりにくい牛だったが、血管が切れそうなくらいのハイ・テンションでクルサードを続け「オーレ」を叫ばせ続けた。

 このひたむきさが胸を打つ。パセ・デ・ペチョやトゥリンチェラで一連のパセを終わって見栄を切ると喝采が鳴った。手の低い長いパセ。後半は牛がパセの後、逃げるようになった。剣を代えスエルテ・コントラリアで良いところに決まった。牛が倒れ観客は白いハンカチを振り続けた。プレシデンテは耳1枚を許可した。笑顔で場内1周をするフェルナンド・ロブレニョ。初々しさが未だ残る。身長が160cmに満たないような小さな闘牛士だが、大きな牛に対しても怯むことがない。こういう闘牛を続けていればもっと良い闘牛士になっていくだろう。

 今日も良い闘牛を見せて貰った。こういう日が続くと闘牛は盛り上がる。


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