ダビ・ルギジャーノ、耳にならず。ファルタン・ポキート。

2001年5月14日、マドリード、ラス・ベンタス闘牛場。(第1級闘牛場)

 小雨が降り続いたマドリード、ラス・ベンタス闘牛場。大体満員。

 フォルミン・ボオルケス牧場。闘牛士、フェルナンド・セペダ、ホセ・ルイス・ボテ、ダビ・ルギジャーノ。

 フェルナンド・セペダは、やはりカポーテは良い。綺麗なベロニカを繋いだ。メディア・ベロニカも味がある。でも、今日は牛が悪すぎた。初めの牛はクルサードして誘ってパセしても、パセの途中で停まってしまう。メディア・パセにしかならない牛だった。剣刺し仕様としても牛が座ったまま動かず、短剣(プンティージャ)で殺した。こんなのはラス・ベンタスで初めて見た光景だ。

 2頭目も、非道い牛で交換になる。代わった牛もパセの後に前脚の膝を着く牛だった。右手の長いパセを繋ぐが牛の動きが悪かった。この牛は、パセの時に手を高くすると抜けるように変な方向に行く牛だ。努力したがどうにもならなかった。この後、フェルナンドは口笛を受けるが、それは剣刺しがピンチャッソを繰り返したからだ。結局刺せなくて牛が座り込んだので短剣で殺した。仕事はしたが、剣刺しが悪かった。

 ホセ・ルイス・ボテは、初めの牛がコッホ(ビッコ)で交換。代わった牛も反応の悪い牛でパセの後にバランスを崩して膝を着いた。ムレタでは、右のパセが繋げす、ナトゥラルをすると振り返るのが早く危なかった。彼は左足が悪いのでこういう牛は非常に危険なのだ。コヒーダされたが大丈夫だった。剣は、1回ピンチャソの後少し前の方にバホナッソで刺さった。

 2頭目の牛はピカの後、座り込んで交換になった。代わった牛は、角が上を向いている牛だった。ベロニカでコッホになる。味のない牛。バンデリージャ打ちが見せ場だった。ムレタでは何もできなかった。牛が悪すぎた。

 ダビ・ルギジャーノが今日の主役だった。初めの牛は反応が悪かったが、ムレタで足を止めたゆっくりとした長いパセを繋いで観客を沸かせた。ダビは良いのだが牛の動きが悪い。それでも手の低い良いパセを繋いだ。剣がメディア(半分)だったしデスカベジョが2回だった。場内1周にもならなかった喝采に応えて挨拶をした。

 2頭目は、カポーテまではダメな牛だと思っていたが、ムレタでは一変した。右手の低い長いパセを何度もゆっくり繋ぐと場内から「オーレ」の声が鳴り響いた。足を大きく開く彼の特徴のあるパセが寒さを吹き飛ばした。オールバックのポマードを塗った髪の毛が照明に光った。剣を代えると場内から声が飛んだ。ダビは左手に持ったムレタを上げた。つまり、ナトゥラルが足りないんだろう。と言う仕草だった。手の低いナトゥラルを繋いでパセ・デ・ペチョ。

 剣刺しはアレナの中央部分で、やると思ったレシビエンドを決めた。この瞬間耳だと思ったがデスカベジョ2回になった。白いハンカチが振られ口笛が鳴った。が、プレシデンテは耳を出さなかった。うーん、デスカベジョ1回だった耳だったかも。ちょっとだけ足りなかったのか。場内1周。でも、耳だしても良いような気分だった。ダビ!次だぜ、次だぜ!

 今日は牛が悪かった。小雨の中で闘牛士たちは仕事をした。ダビ・ルギジャーノが惜しかった。27日に耳を取ろう。でも、この日はバルセロナにホセ・トマスを見に行く。残念だけど今年はこれで会えないようだ。でも、やることやっていて安心した。アレナ中央でのレシビエンドってなかなかやるよな。最も危険な剣刺しなのにね。


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