2000年5月14日、バジャドリードの結果

ホセ・トマス、グラン・ファエナも剣が決まらず、プエルタ・グランデを逃す!
ホセリート登場に観客は大拍手で向かえる。
快晴の闘牛場に、座布団の雨がクーロに降った。

por 斎藤祐司

 快晴の闘牛場。ホセリートは前と変わらず、わざと作った無表情で車から降りて闘牛場へ入っていった。彼のクアドリージャは一昨年と同じメンバーのようだった。やはりホセリートのところには、ファン・クベーロがいないとダメだ。

 クーロ・ロメロは、何しに出てきたんだろう。出場して金だけを持ち逃げした。1頭目は、ダメな牛だった。それでもヨタヨタしながらパセを繋いで昨日より大きな「オーレ」の声がなった。剣刺しはスエルテ・コントラリアでピンチャソ1回。メディア。デスカベジョ1回失敗。で牛何故か倒れる。

 2頭目の牛は、突進する良い牛だった。が、何故かカポーテを振りに行かない。首が高い牛だったとはいえムレタでも何もしない。左右に振ってはい終わり。口笛がそこら中から吹かれていた。剣刺しはピンチャソ1回。の後、とんでもないところにメディアで入った。また口笛が鳴る。デスカベジョは何回やったか分からない。口笛と罵声が飛ぶ。そして、「フエラ」コールが起きる。終わった後は、物凄い口笛とブーイング起こった。

 ホセリートが初めの牛を相手にするラッパが鳴ると、闘牛場に拍手が起こった。待ちわびたファンの拍手がホセリートを待っていた。1頭目は、シンプルなベロニカで「オーレ」をならす。キーテは、チクエリーナを繋いで綺麗なラルガを決める。闘牛場は興奮して、オーレを叫び続けた。

 ムレタになると、牛は動かなくなった。が、ホセリートは丁寧にパセを繋いだ。牛はパセの途中で首を振り上げた。右手もナトゥラルも変わってはいなかった。寧ろ休養に入った98年より良かった。剣刺しは、ピンチャソ3回。あの眼底骨折の後遺症で狙いが定まらないのだろうか。4回目にビシッと決まった。剣が柄元まで入ったときに、「グサッ」 という音が聞こえた。ホセリートがいたのは丁度反対側だったので闘牛場の多くの人が聞いたことだろう。

 2頭目は、カポーテではベロニカを繋いで、オーレをならせた。静かになったときに、野次が飛んだ。 「Curro! Segunda division 」 闘牛場は笑いに包まれた。ムレタでは、タブラの足をかけるところに腰掛けてパセを始めた。ホセリートは、クルサードしていた。牛が悪いのでピコを使っているがそれはどの闘牛士もやっていることだ。牛を動かした。そんなに盛り上がらなかったが、最後のモリネーテ連続からマノレティーナの連続は良かった。観客も沸いた。剣はピンチャソ1回。その後に良い剣が決まる。

 ホセ・トマスは、1頭目で耳2枚を逃した。その牛はコッホだった。キーテのチクエリーナに沸く。本当に体の近くを牛が通っていく。「オーレ」は大きく叫ばれた。ラルガを決めると喝采がなった。ムレタでは、牛がホセ・トマスの体を触りながら通っていく。よろけたり、倒れそうになったりで、何度もあちこちから悲鳴が上がった。服は牛の返り血で赤く染まっていった。良いファエナだった。グラン・ファエナだった。だが、ホセリートに付き合った分けじゃないだろうけどピンチャソ2回。の後良いところに角度が浅く決まった。耳もない。ブエルタもなし。 Que` la`stima.

 闘牛が終わるとクーロが退場していく。口笛と罵声の中、クーロ目がけて座布団の雨が降った。顔の前に手をやって当たらないようにして足早に出ていった。ホセリートとホセ・トマスには大きな拍手が起きた。剣さえ決まって入れは2人とも耳を切っていただろう。


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