何もしようとしないオルドニェスにモヌメンタル・ブロンカと座布団の雨が降る。ムーチョ・ミエド?ミエルダ!

2005年5月13日マドリード、ラス・ベンタス(第1級)闘牛場の結果。

 2005年サン・イシドロ第3日目。小雨が降えいのち曇り時々晴れ。時々風が吹いてやりにくい場面があった。セレスティーノ・クアドリ牧場の牛(Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、セレスティーノ・クアドリ牧場)。闘牛士、リベラ・オルドニェス、ルイス・ミゲル・エンカボに替わりイバン・ガルシア、フェルナンド・クルス=コンフィルマシオン・デ・アルテルナティーバ。プレシデンテ、ホセ・マヌエル・サンチェス・ガルシア。ほぼ満員の観客の入り。ソルのテンディド5バッホにて、Tさん、Yさんと一緒に観戦する。19時開始、21時5分終了。

 この日フェルナンド・クルスは、コンフィルマシオン・デ・アルテルナティーバ。だから、1頭目と6頭目に闘牛をした。何とか良いところを見せようとして必死にやっていた。何回コヒーダされたんだろう。3回くらいやられてた。見習い闘牛士の時にラス・ベンタスで4(クワトロ)タルデ、4(クワトロ)オレハした。期待に胸を膨らませての出場だったのだろう。が、現実は超厳しい。

 1頭目の牛でデレチャッソをするとブスカンド。ナトゥラルでコヒーダされた。最後の牛では、良いバンデリージャが決まりバンデリジェーロが挨拶をした。デレチャッソでパセをすると牛が膝を着く。パセ・デ・ペチョでコヒーダ。デレチャッソでブスカンド。パセ・デ・ペチョでもブスカンド。パセの後の返りが早い。ナトゥラルで角が胸の所に来る。それでも2回パセをしたが、3回目のパセをしようとしたら観客が口笛を吹いてやめさせた。そんなことをやっていたら命がいくつあっても足りない。物凄く危険な牛。やりようがないが何とかしようとしている姿だけ。

 オラ。僕リベラ・オルドニェス。オーレじゃなく、オラよ。オーラはないけど。闘牛に、「オーレ」は必要ない!重要なのはお金だけ。如何に楽してお金を稼ぐか。これが最も闘牛で大事なこと。でも、僕はお金持ちだからそんなことも考えたくもない。ほら、牛なんて全然判らないからただカポーテやムレタを振っているだけ。それで良い牛だったらパセ出来るわけ。それがさっ、今日の牛ったら全然動いてくれないわけ。でも、庶民はうるさいわけ。汗水垂らして稼いだわずかな金で来ているのに勝手なことを言っているわけ。もうハエみたいにうるさい。他の2人は、真面目に闘牛やちゃって。僕なんか暇だから道楽でやってるって言うのにね。右でブスカンドするから危ないわけ。だから、剣刺しに行っているのに・・・。判ってないよね、庶民は。住んでる世界が違うわけ。

 あんまり非道い言い草なんで、オルドニェスについて本当のことを書かせていただきます。

 2頭目の牛で腰が引けたパセを繰り返す。デレチャッソでブスカンドする。パセが抜ける。牛の前で左右にムレタを振ってナトゥラルを1回も試みないで剣を代えた。物凄い口笛が吹かれた。剣刺しの時もそれは続いた。4頭目の牛はこの日1番良い牛だった。ベロニカで、「オーレ」がなった。ピカが入って動きが悪くなったがそれを理由には出来ない。元々やる気がないのだ。こんな良い牛を相手に、1分もムレタを振っていないのだから・・・。2頭目以上に物凄い口笛と罵声が飛ぶ。剣を刺そうとしているときもそれはやむどころか大きくなるくらいだった。何をしに出てきたわけ?

 怪我をしたルイス・ミゲル・エンカボに替わりイバン・ガルシア。3頭目の牛でデレチャッソで誘うと牛が体とムレタを交互に観る。そしてブスカンド。ナトゥラルでは良いパセが出ない。頭がパセの時に下がらない。だから、闘牛士の体が丸見え状態。非常に危ない。5頭目もブスカンドするし動かないしやりようながなかった。折角、8日日曜日に耳1枚を切って怪我人の代理出場になったのにこんな牛じゃやりようがない。

 牛はまるで、コリーダ・ドゥーラだ。非道い。フェルナンド・クルスは命を賭けていた。イバン・ガルシアも何とかやろうと必死だったが牛が悪くできなかった。しかし、オルドニェスのお坊ちゃまは婆やの言いつけ通り、危険には立ち向かわない。良い牛でもやろうとしない。お金だけ稼げれば良いのだ。服も靴下も汚すと婆やに怒られるのだ。退場するときに、モヌメンタル・ブロンカと座布団の雨が降った。右手のモンテラに座布団が当たり落ちた。それを拾って首を横に振って消えていった。

 君たち庶民は判っちゃいないよ、という感じなのか。そうオルドニェスは、メトロにもバスにもRENFEにも乗ったことがないお坊ちゃま。世間のことは判らないよね。何にも判らないよね。闘牛のことも・・・。こんな泥棒を闘牛場に出すこと自体、詐欺に近い!オルドニェスに理屈を言っても通じない。考える頭も、感じる能力もないのだから。本当は、どうしようもなく怖くて仕方がないんだろう。庶民はハエみたいにうるさいって、お前が糞みたいだからだ。ムーチョ・ミエド?ミエルダ!


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