ハビエル・バルベルデが、良いファエナをした。

2002年5月13日マドリード、ラス・ベンタス闘牛場(第1級闘牛場)の結果。

 曇り空だが日が出て暖かい。日が沈むと寒いマドリード、ラス・ベンタス闘牛場。牛、ラ・キンタ牧場。見習い闘牛士、マルティン・キンタナ、プロクナ、ハビエル・バルベルデ。ほぼ9割入り。テンディド6、バッホにて観る。未だ、冬用のジャンバーは必要だ。

 マルティン・キンタナは、手の低い長いパセを繋ぐ。パセの形が綺麗だが盛り上がりに欠ける。それは、クルサードが足りない事と、牛を把握していないことになると思う。4頭目の牛で観客を沸かせた。右手で、手の低い長いパセを繋ぐと、「オーレ」がなった。でもクルサードはしていない。パセ・デ・ペチョの時、牛がブスカンドする。だから、ナトゥラルの時は当然危ない。ナトゥラルを繋ぐと案の定ブスカンドした。それでも、自分自身に気合いを入れるように叫んで、ナトゥラルを続ける。何度も危ない場面があった。

 それでも続けるのは無鉄砲。それで観客は沸いたが、牛を知らないことを暴露しているようなもの。みっとないと思う。結果的にハラハラした分観客が興奮していた。剣を代えた後、マノレティーナを繋ぐ。剣刺しは、スエルテ・コントラリアでカイーダだった。観客は弱い耳の要求があったが、首を傾げる。当然耳は出なかったし場内1周もなかった。パセ・デ・ペチョの後、もっと距離を取らないとダメだ。

 プロクナは、闘牛士として色々勉強を積んでいることは判る。アポデラードの、ビクトル・メンデスが面倒を見て育てているのだろう。去年観たときも才能があることは判った。バンデリージャでキエブロも決めるし良いところはある。だが、それが実際の闘牛に出ていない。これは何故だろう。カポーテも色々な技を披露して観客を沸かせる。しかし、1番大事なファエナになるとどうもダメだ。膝を折ったパセは良いが、立ってパセをすると形もインパクトがないし、味がない。

 おそらく彼は、トレオ・デ・サロンなら、良いムレタ捌きを見せるだろう。でも、牛を相手にしてそれが出来なければ意味がない。牛の見方もある程度出来ていると思うが、何が足りないのか・・・。今日は口笛を浴びて退場しただけの内容だった。

 ハビエル・バルベルデは、2回とも良いところを見せた。しかし2回とも剣が決まらなかった。デスカベジョも、3回と4回やった。始めの剣刺しは去年と同じ中央での剣刺しをレシビエンドで試み、メディア。最後の牛は、向かってくる牛に飛び込んで刺す、ア・ウン・テイエンポという刺し方で決めたがテンディダ気味なのか牛は倒れなかった。

 ファエナは、最後の牛の方が良かった。右手のパセは、テンプラール(ゆっくり)で、大きなパセを繋いだが手はそれほど低くない。ナトゥラルでもクルサードして、テンプラール(ゆっくり)で、大きなパセを繋いだ。ナトゥラルの方が良かった。「オーレ」がなり、観客が沸いた。右手で後ろからシルクラールを2回続けるともっと沸いた。剣を代え、ナトゥラルを繋ぎパセ・デ・ペチョ。牛の動きが悪くなり剣を刺しに行った。

 今年ハビエル・バルベルデはラス・ベンタスに3回目の登場。初めて耳を取らなかったが、良いファエナをした。5月3日の観戦記でも書いた事がどうしても頭にある。予定では、6月12日にサラマンカでアルテルナティーバをする。それを見に行く予定にしていたがやめた。理由は、5月3日の観戦記に書いていることだ。

 今年のサン・イシドロは牛が良いような気がする。去年も、ラ・キンタでハビエル・バルベルデはプエルタ・グランデしたが、昨日、今日と良い牛が出ている。初日はヘレスに行っていて観ていない。話によると良くなかったそうだ。でも、この2日は良い牛が出ている。このまま行けば良い闘牛が何回も観れるかも知れないと思うと楽しみになってくる。


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