雨が降りそうで降らない空のような闘牛。

2005年5月12日マドリード、ラス・ベンタス(第1級)闘牛場の結果。

 2005年サン・イシドロ第2日目。曇り時々晴れ。時々風が吹いてやりにくい場面があった。フェルミン・ボオルケス牧場の牛(Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、ムルベ−ウルキホ牧場)。ソブレロ、コルバチョ・グランデ。闘牛士、フランシスコ・エスプラ、フェルナンド・セペダ、ウセダ・レアル。プレシデンテ、マヌエル・ムニョス・インファンテ。ほぼ満員の観客の入り。ソルのテンディド5バッホにて、Tさん、Yさんと一緒に観戦する。19時開始、21時5分頃終了。

 フランシスコ・エスプラがこの日観客を沸かせたのは、バンデリージャ打ちの時だけだった。1頭目は、デレチャッソでブスカンドする危ない牛。パセ・デ・ペチョ以外に殆ど左角でパセをしなかったのは不満だが、こんなもんでしょうって言ったらエスプラファンに怒られるか?4頭目は、殆ど動かない牛で直ぐに剣刺しをした。

 フェルナンド・セペダは、5月2日に非道い闘牛をしたが、この日は、2頭目の牛のベロニカで、「オーレ」がなった。昔のベロニカに比べると迫力がなかった。ファエナでは、手はそれほど低くなかったが、テンプラールなパセをリガールして「オーレ」がなった。このまま行くかと思ったが、牛は前後の脚が悪く続くはずもない。ナトゥラルは繋がらないし後半は牛がバテてダメ。剣はスエルテ・コントラリアでカイーダ。

 5頭目は、バンデリジェーロのエル・チャノが2回良いバンデリージャを打って喝采を浴び観客に挨拶した。いつも彼は良いバンデリージャを打つ。牛はファエナになって動かなくなった。

 ウセダ・レアルは、この日は印象が薄い。真面目にパセを繋ごうとしていたが、いかんせん牛が悪すぎた。それと3頭目のファエナでは牛とも距離を間違えていた。彼は距離の取り方に問題がある。距離が判ってればもう少し牛を動かして良いパセを引き出すことが出来ただろう。最後の牛は脚が悪くつぶれる牛で交換になった。代わった牛も前脚が弱かった。パセの後の返りが早くやりにくい。ナトゥラルをするとパセが短い。ムレタを牛の角にはらわれる。だからダメだった。

 フェルミン・ボオルケス牧場の牛は、全て脚に問題があった。マンソの牛もいた。パセの後の返りが早い牛がおく、ブスカンドする牛もいた。この牧場は、やはり騎馬闘牛用の牛という印象を拭えない。サン・イシドロで闘牛用の牛で出てくるのは疑問だ。雨が降りそうで降らない曇り空の様なハッキリしない闘牛だった。


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